【漫画】夏目アラタの結婚 34話【感想・ネタバレ・考察】久々の面会…アラタが何気なく亡父の思い出を語ると”ある言葉”に真珠が動揺する

夏目アラタの結婚 4巻表紙

2回目の控訴審で真珠は実の父親である三島正吾こそが事件の真犯人であると語る。さらに真珠は自身が三島正吾から付き纏われ、金の無心や性的な虐待を受けたとも言う。不幸な境遇を語る可憐でか弱そうな真珠の様子に傍聴人達は一審の時とは一転して同情の眼差しを向けるのであった。

一方、アラタは真珠が全ての罪を三島正吾になすりつけようとしているのを見て『真珠は既に三島正吾を殺害しているのではないか』という疑念を持つのであった…。

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以下、あらすじとネタバレ

久々の面会…離婚届を破り捨てたアラタに『取っておけば良かったのに』と寂しそうに微笑む真珠

職場でアラタは桃山に控訴審2日目の様子を桃山に語った。今までの黙秘が嘘の様に真珠が新証言を繰り出したこと、そして真珠の様子から彼女が既に父親を殺害しているのではないかと疑っている事を正直に桃山に告げるアラタ。それを聞いた桃山は『真珠の父親のことを警察には言わないのか』と尋ねる。アラタは『自分の憶測にすぎないしチクるのは性に合わない』と答え、さらに『性的虐待の話が本当なら父親を殺してしまっても個人的には構わないと思っている』と言い切る。

そんなアラタに桃山は呆れながらもこう言う。

「もう、教えてくれるんじゃない?」
「――「首」のありか。」

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そもそもアラタが真珠に会いに行ったキッカケは、父親を殺された少年、山下卓斗に『まだ見つかっていない父親の首のありかを品川ピエロから聞き出して欲しい』と頼まれたことだ。控訴審で死体を隠した理由を『父親である三島正吾に頼まれたから』と証言し始めた今であったら、真珠も残りの遺体のありかを教えてくれるのではないか…そう桃山は言うのであった。

桃山の発言を受けたアラタは久しぶりに拘置所に向かった。

しかし、真珠は面会開始早々アラタに顔の色んな角度を見せる様に求め『アゴを上げたまま動くな』等と一方的に言う。以前アラタが提案した(本当は井手刑務官が発案)スケッチデートを見据えてアラタの似顔絵を拘置所内で練習した真珠であったが、全く上手く描けなかったため、こうやってアラタの顔の作りを観察しているのだ。

『最近会ってなかったからどんな顔してたかと思ってさ』と言う真珠にアラタは『忘れるなよ』と返しながらも『法廷では顔を突き合わせてというわけにもいかないしな』と納得する。そして、『裁判に来てくれるとは思わなかった』と冷ややかに笑う真珠にアラタは『大事な女房の裁判をサボるわけないだろ』と答え、あるものを上着の内側から差し出す。

それは以前真珠が送り付けてきた記入済みの離婚届の切れ端だった。『二度とこんなもんを送り付けて来るなよ』と笑って見せるアラタ。しかし、真珠は『とっておいて、ボクのことが嫌になった時にいつでも出せば良かったんだよ』と寂しそうに笑った。てっきり真珠が自身を試すために送り付けてきたと思っていたアラタは『マジだったわけ?』と内心動揺する。

「終わる時は、知らないところで―プツッと終わるほうがよくない?」

夏目アラタの結婚34 乃木坂太郎 9/27

そう言ってやはり寂しげな笑みを浮かべる真珠。それを見たアラタはふと歴代の彼女達を思い出した。関係が終わる間近、彼女達は皆、『私が何で怒っているか分かる?』『このままじゃ私たちダメになるよ』『あなたが変われないならもうダメかも』といった意味深な言葉を深刻そうに投げ掛けてきた。しかし、アラタはずっと『面倒くさい。別れようという言葉一言あればいいだけじゃん』と思ってきたのだ。

だから、アラタは真珠の言葉に同感したものの同時にこう思うのであった。

けどそれは――
結局 俺たちは本当は誰も愛してないからだよな…?

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自分は真珠がずっと待ち望んでいた”誰か”ではない…そう思って複雑な気持ちになるアラタ

そして、アラタは自身と真珠の関係について思いを馳せる。元々は児童相談所の仕事で関りがあった中学生、山下卓斗がアラタの名を騙って真珠と文通したことが全ての始まりだった。そして、アラタは真珠に殺されたとされている卓斗の父、山下良介の首の在処を聞き出すために真珠と面会を始めたに過ぎない。一方、真珠がずっと会いたがっていたのは”子供みたいな字を書く”文通の相手(山下卓斗)で、彼女もまたアラタが文通の相手ではないことをとっくに見抜いているのだ。

オレは、お前が待っていた「誰か」じゃない。

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そう、どこか寂しい気持ちになるアラタ。互いの言動に喜んだりほんの少し素顔を見せあったとしても、結局それはどうどう巡りの茶番に過ぎないのではない。だから、自分は真珠が本当に望んでいるものを与えることはできない…そう思うのであった。

すると、突然真珠が『ボクの証言をアラタはどう思った?信じてくれた?』と尋ねてくる。探るような厳しい目つきの真珠に『法廷ではもう少し可愛くなかった?』とアラタは内心狼狽える。この直球の質問にアラタは『新しい”事実”がいっぱいで、まだ整理がつかずに混乱している』と誤魔化すような回答をする。だが、真珠が無表情で冷たい眼差しを向けているのを見て『こんなつまらないか返答では不合格だ』と自覚し、こう続けた。

「けど、真珠の親父については…丸ごと信じるぜ、俺。」
「…もし、オレがそこにいたら…」
「ブチ殺してやったのにな…!!」

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怒りに顔を歪ませてそう言ったアラタ。それはアラタの紛れもない本音であった。

だが、真珠は一瞬ハッとした表情を浮かべ『アラタなら本当にやりそう』と微笑んで見せたもののその瞳はやはり暗いままであった。

本音でかつ真珠が望んでいたであろう返答なのに瞳を輝かせない真珠。その様子にアラタは『やはり自分が待ち望んでいた”誰か”ではないからなのか』と落胆してしまう。そして、自身の顔や声が真珠のタイプではないのが悪いのだろうか等と悶々としてしまうのであった…。

アラタの亡父について尋ねた真珠…アラタが何気ない亡父との思い出を語ると突然真珠の態度が変わり…!?

すると、そんなアラタに真珠が突然こう尋ねる。

「アラタのさぁ、お父さんはどんな人だった?確か死んだって言ってたよね?」

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本日の面会の目的…遺体の在処を聞き出すという目的からどんどん遠ざかって行っていることに内心焦るアラタだったが、仕方なく亡父について語り出した。

アラタの父親はトラックの運転手だった。父親…アラタの祖父もトラックの運転手で、父はそれに憧れて運転手になった”トラック野郎”の最後の世代だったのだ。そして、父は妻である綾子にぞっこんで、いつも『若い、キレイだ』と持ち上げていた。

そんな幸せそうな話を聞いた真珠は暗い目のまま『そうなんだ…』とつぶやくが、アラタはさらにあるエピソードについて語る。

ある時、母の美しさを持ち上げ続ける父にアラタが『いつかババアになるだろ』と憎まれ口を叩いた。すると、父はアラタに一発食らわせてこう説教したのだ。

「「アラタよ、母ちゃんが永遠に若いままでいるのは簡単なんだぞ」」
「「死ぬか…どうかして永遠に姿を消せば若いまんまだ」…ってさ」

夏目アラタの結婚34 乃木坂太郎 18-19/27

幼いアラタに妻と共に歳月を重ねられる喜びとその尊さを語った父。アラタは当時その意味が全く分からなかったが、小学校3年生のときに父が突然事故死したときに理解したという。…何故なら死んでしまった父はアラタの中で本当に若いままで時間が止まってしまっているからだ。

しんみりした表情でアラタの話に聞き入る真珠。一方、アラタは父と過ごした楽しい時間を思い出し懐かしむ。そして、さらに思い出したことを語る。

アラタの父は顔に似合わずロマンチストである自論を語っていた。それは『女房というのは本当は皆天女で止まった時間の中で永遠に若くいられるんだ』『それが旦那と結婚すると、止まった時間を動かして旦那と一緒に歳を取ってくれるのだ』と。

そして、アラタは突然真珠の目を見つめてこう言った。

「…ありがとうな。」
「真珠も、オレと一緒に歳をとってくれるんだろう?」
「止まった時間を、動かして…さ。」

夏目アラタの結婚34 乃木坂太郎 21-22/27

すると、それを聞いた真珠は驚いた様に目を見開くのであった。

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『時間を動かす』という言葉に異様に食いついた真珠…真珠は『僕が待っていたのはアラタだ』と言い出す

今までずっと物憂げな様子だった真珠が急にハッとした表情を浮かべた。それを見たアラタは亡父の言葉を真似たクサイ口説き文句が真珠の琴線に触れたのだと思った。しかし、そうではなかった。

「時間を動かすって…」
「――いつアラタに話した?」

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必死の形相でアラタにそう尋ねる真珠。アラタは『いや、今のはオレの親父の話だから…』と答えるが、思ってもみなかった真珠の反応にアラタもまた戸惑っていいた。

アラタの口説き文句の中身ではなく”時間を動かす”という言葉に食いついた真珠。アラタは『食いつくのそこ?』と困惑し、『真珠ってもしかして”能力者”なの?』と非現実的な可能性まで考えてしまう。

すると、そんなアラタをよそに真珠はアクリル板に触れながらこう言うのであった。

「ボクが、待っていたのは――」
「アラタだ。」

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以下、感想と考察

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アラタの真珠への想いの変化について考える

ここ最近ずっと法廷が舞台だったから、拘置所の面会室が何だか懐かしく思えてしまった。そして、アラタ同様久々の素の状態の真珠に私も狼狽えてしまった。しばらくの間裁判モード(外面モード)の可愛らしい真珠ばかり見てきたから。…でも、元々真珠はこんな感じだったよね。

そんな久々の密室劇を見て感じたのがアラタの真珠への感情の変化。元々アラタが真珠とかかわり続けている目的は殺された卓斗の父の首の在処を聞き出すためだし、そのことを再三自分に言い聞かせてきた。初めから真珠が誰かを殺した経験があると直感していて、早く関係を断ちたいと思っていたし、婚姻届けを出すのも渋っていた。

でも、今はどうだろう。多少駆け引き的な要素があったとはいえ、アラタは真珠から送り付けられた記入済みの離婚届を破り捨て、真珠に面会を拒否されても控訴審に足を運んだ。自身が足を運ばずとも藤田から様子を聞くという手もあっただろうに。純粋に裁判、そして真珠の行く末を見守ろうとしている。そして、今回の34話に至っては桃山に指摘されるまで『卓斗の父の首の在処を聞き出せればそれで終わり』という当初の目的・目標を失念していたようにも見える。

さらにアラタは『自分は真珠のタイプじゃないのか、顔や声がダメなのか』なんてことまで考え始めている。それが純粋な恋愛感情と言えるのかは分からないけどやはり少なからず好意を抱き始めているように思える。無自覚みたいだがPity’s akin to loveを地で行ってしまっている感じだろうか。でも真珠は同情されると卑屈になる傾向があるからそれはどうなのだろう…。

『止まった時間を動かす』という言葉に食いついた真珠…その意味は??

そして、話題はアラタの亡父について。アラタのお父さん、アラタにそっくり。いかにも妻子思いのガテン系父ちゃんっていう感じで良いヤツ感がにじみ出ている。ついでに、やはり幼少期のアラタがとても可愛い。

だが、ほのぼのとした思い出話で終わると思いきや、この亡父の言葉にあった『止まった時間を動かす』というワードに真珠が動揺しだす。『いつ自分がアラタに話した!?』と半ばパニックになる真珠。つまり、真珠が隠している秘密に、この『止まった時間を動かす』ということが密接に関係していると言うことだ。これは一体どういうことだろう。

『真珠って能力者?』とアラタが困惑するところには笑ってしまった。突然のこと過ぎてアラタがそう思ってしまうのも分かる。でも、この作品が今から能力バトルものになることはないと思うので少し真面目に考察していきたい。

現在、真珠とその父母の過去について分かっている事、アラタが抱いている直感や疑念をまとめていたい。

まずは真珠と母親についての関係。これは拘置所の面会で真珠の言動から分かること。

・真珠は母親、環との関係は悪くなかったが、環との生活について思い出すと嘔吐してしまう程のトラウマを抱いている。
・真珠は環のことを『大好き』と語ると同時に『殺してやりたかった』とも語る。

そして、アラタが控訴審での真珠の証言から直感的に得た疑念。

・真珠の母親、環は児童相談所ではない他の何かから逃げていた可能性がある。
・環自身が過去に人を殺しており、真珠はそれを庇っている
・真珠は父親である三島正吾を自身の手で殺害しており、全ての罪を三島に被せようとしている。

…うーん、どうだろう?下3つはあくまでアラタが勝手に思っていることだから確実ではないのだけど、もしこれらが全て真ならば、

環は過去何らかの理由で人を殺しており、真珠はその事実を知っている、あるいはその現場を目撃しておりトラウマを持っている。しかし、環のことを愛していたため彼女と共にその事実を隠し続け逃亡生活を送っていたが、その経緯や逃亡生活に疑念や不満を持っていたため内心は『殺してやりたい』と思う程の憎しみも環に対して抱いていた。

看護学生時代に突然現れた三島正吾の金の無心や性的虐待を拒み切れなかったのは、彼に父親であると言われたからではなく、三島正吾に環の殺人事件についての証拠を握られていたから。一連のバラバラ殺人事件の後に三島正吾を殺害したのは、バラバラ殺人事件の罪を彼に着せるためではなく、環の殺人事件について隠蔽するため(三島正吾の言いなりになってバラバラ殺人の死体遺棄を手伝ったりしていたのも、彼を油断させるためか)。その後、逮捕されてから黙秘を貫いたのも、三島正吾の代わりにバラバラ殺人事件の罪を背負うためではなく、環の殺人事件がバレないようにするため。

…こんな感じを想像してしまうが、どうだろう。この作品、本当に想像の斜め上の展開を行くからなー。

それに、もし上記の様な真相だったとしても、何故今さら真珠が控訴審で無罪を勝ち取りに行こうとするようになったかが今ひとつ分からない。アラタにプロポーズされただけで考えが変わると言うのも妙な気がするし、『止まっていた時間を動かす』というキーワードは隠していた真実をまるで露わにしようとしているようにも思える。

『止まっていた時間を動かす』という言葉は真珠の中では『自身を縛っていた過去の事件を明らかにして、自由になる』というのを意味しているのだろうか?いずれにしても真珠の本心はかなり複雑で、辿って来た人生も上述したような単純なものではないだろう。

果たして真珠の中に眠る真実とは…??

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