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ママ友が怖い~子どもが同学年という小さな絶望の後半のあらすじ・ネタバレをしていきます。
前半ではかつて仲が良かったママ友のリエから、無視や嫌がらせを受けるサキが精神的に追い詰められていく様子が描かれていました。そんなリエが二人目を妊娠していると知ったサキは、自身も二人目を望んでいたこともあり、どす黒い感情に支配されますが、気を取り直し、変わろうと決意しました。
以下、後半のストーリーを描いていきます。
前半の記事はこちら
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Contents
あらすじ・ネタバレ
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④リエの独白
二人目の子どもを妊娠しているリエは喜びに浸っていました。
周囲からの『二人目まだ?』のストレスから解放され、心が軽くなりました。そして何より
「”あの人”に勝った」そう感じているのです。
実は夫との仲が冷め気味で悩んでいたリエ。みんなでバーベキューをしていた時のこと。「サキちゃんはいつも若くてかわいいなー。やっぱお肌が違うよね」鼻の下を伸ばしながら言う夫に絶句するリエ。サキはリエより3つ若いだけで、ちょっとかわいいだけなのに・・・。その頃からいつも笑顔でのんびりしているサキがどこか余裕があるように感じて嫉妬を覚えるようになります。
友人からの『二人目』報告に苛立つリエ。その時も夫は『サキの所もまだ子供が一人であること』を引き合いにして慰めるかと思えば『サキの方が若いから先を越されるかも』と無神経な発言をし、彼女を傷付けます。もともと真面目で努力家で負けず嫌いだったリエ。突き刺さる周囲の無邪気な言葉。
周りに先を越される悔しさと今までの人生の頑張りが無かったことにされているような・・・そんな感覚に陥っていきます。
ある日、リエはサキと一緒に子宝の神社に行こうと約束します。そして、その後サキから不妊外来を検討したことあるか聞かれました。濁すリエですが、本当は既に通っていたのです。不妊治療は苦痛で仕方がありませんでした。しかし、そんなリエの気持ちを知らないサキ言います。
「そこまで必死になるのってどーかって思うし、まだ若いからそこまでしたくないってゆーか」
サキのその言葉に、自身と彼女との間に大きな壁を感じてしまったのです。自分より若く、夫婦仲も良いサキ。
リエはサキの余裕そうな笑顔が嫌いになっていきます。
そして、もしもサキに2人目ができたら今みたいにサキと笑って話せるか・・・不安に思うようになりました。
内心サキと距離を置きたかったリエ。しかし娘、ののちゃんがミイちゃんと仲良しだから自分もその親であるサキと仲良くしなくては・・・そう我慢します。
しかし年中に上がってミイちゃんはののではなく新しく入ってきたこと仲良くするようになります。そして、サキがミイちゃんに『みんなと仲良くしなきゃダメ』と言い、ミイちゃんがそれを理由にののちゃんを怒るようになったと聞くリエ。
娘がダメな子であるように言われた気がし、サキへの苛立ちを募らせますがこれからも同じ幼稚園だから・・・と堪えようとします。
しかし、秋のお遊戯会でののちゃんが端っこなのにミイちゃんがセンターで踊り、皆の称賛を受けるサキを見て、積もり積もった不満が爆発してしまったリエ。自身より上なんて許せない・・・そうはっきりと意識するようになりました。
イライラをぶつけたかった、幸せなんだから少しくらいぶつけたっていいじゃない・・・そんな思いが止められなくて無視を始めたリエ。
しかし、それでも余裕そうな笑顔で挨拶してくるサキ。それが鼻につき、夏祭りではいじわるをしてしまいました。しかし、今日。サキは挨拶せず通り過ぎていってしまいました。
胎児に語り掛けながら一連のことを思い出し、自己嫌悪するリエ。でもきっとそう思うのは自身が今幸せだから・・・そう考えるのです。
⑤変わるサキ。一方リエは・・・
サキは出産して以来やっていなかったネイルをやってみました。隣人の女子大生に触発されたのです。些細なことですが、気持ちが上向くことに驚きます。また、最近夫が優しくなったのを感じます。プチ家出や火災報知器の件サキが相当追い詰められていたことにやっと気付いたのです。
言ってくれないと分からない・・・そう言い、サキから悩みを聞き出そうとする夫。今更でしたが、夫の向き合おうとする姿勢に、今までの不満を吐き出します。幼稚園でのこと、義母の電話が苦痛であることを洗いざらいぶちまけました。恐らく全てを理解してくれたわけではないけれども黙って聞いてくれた夫。無事に仲を修復できました。
そして、休日夫の実家に家族3人で行くことになったサキ。最初は気乗りしなかったものの、街から離れ田舎に向かうと、普段過ごしている世界が小さく感じられます。今いる環境がずっと続くわけではない・・・そう気が付きます。サキは夫の祖母に頼まれ農作業を手伝います。彼女はサキが『二人目』に悩んでいることに気付いており、気を効かせてくれたのです。サキの手際を誉めながら、二人目を気にする必要はない、幸せは人それぞれだと言ってくれます。そしてその間、夫は義母に話をしてくれて、帰り際には義母から今までのことについて謝罪されました。義母も悪気があったわけではないのです。頑なになっていた心が和らいでいきました。
その後、サキは再びリエたちに挨拶するようになります。しかし以前の様なストレスはありません。
冷静に見ると、リエとその取り巻き達が損得勘定だけでつるんでいるだけなのが分かります。幼稚ないじわるをし、挨拶すら返さない彼女たちを軽蔑する余裕すらあります。
そして以前傘を貸してくれた井上さんから仕事を紹介してもらいます。
他の世界だってある・・・そう思えるようになったサキは変わりました。
お弁当屋さんのパートを始めたサキ。先輩は厳しく良く叱られますが、幼稚園で感じていた息苦しさに比べれば全然平気です。仕事を楽しくこなしていきます。
また、職場が近いこともあり、井上さんとも親しくなります。しかし、彼女とは連絡先も交換しなければ、深い話をすることもありませんがサキは適度な距離のある関係を心地よく感じます。
サキは忙しいながらも充実した日々を送れるようになります。
一方、サキは幼稚園の送迎の際に、リエの娘のののちゃんが孤立していることに気付きます。また、リエ本人もいつの間にかママ友とつるまなくなっていることに気が付きました。しかし、自身には関係がないことだと、とくに気に留めもしませんでした。
ある日、お弁当屋さんにリエの取り巻きの1人がやってきます。弁当屋の仕事を馬鹿にするような彼女の態度に不快感を覚えますが、翌日娘を送る際もすり寄ってきて、リエの悪口を振ってきました。
どうやら子ども同士のトラブルが原因で、リエと仲違いをした様子。すらすらとリエやののちゃんの悪口を言う一方で、ミイちゃんが彼女の娘に優しくしていることを引き合いに出してサキに笑顔で感謝の言葉を述べます。急な手の平返しに、恐怖すら感じるサキ。仕事を言い訳にして逃げだします。
「ママ友怖い!もうかかわりたくない!」
そう思うのでした。
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⑥孤立したリエ・・・そのとき・・・
娘を幼稚園に送るリエは苛立っていました。妊娠しているリエはつわりもあり、体調がすぐれません。また、リエの妊娠で、不安定になってしまったののちゃん。元々我の強い性格でしたが、ずっと不機嫌で手がかかるようになってしまいました。視界に入ったママ達を睨みます。
「ののが大人の目の届かないところでいじわるしてるとか先生に告げ口したりして」
リエは思い返します。上記の件でママ達と話し合ったリエ。最初はお互い遠慮がちに意見を言い合いますが、リエは娘を擁護し、『きっと何かがあったはず』と言ってしまいます。それが相手を怒らせてしまい「自分の子が悪いことしたらとりあえずあやまるのが先じゃないの?」「もっと子どものこと見てあげれば?」等と言われてしまいます。そして逆上してしまったリエ。
元々、取り巻きのママ友達にも内心不満を持っていたのです。
「子どもがいなければ、ぜったい仲良くならなかった」
吐き捨てるように思うリエ。そんなリエを登園拒否するののちゃんの声が現実に引き戻します。なんとか宥めようとするリエですが、ののちゃんはリエの手を噛みついたり、抱っこをせがんだりと大騒ぎします。妊娠しているため抱っこは出来ないと伝えるリエですが、納得せず号泣しだすのの。
そんな2人の様子をつい最近までつるんでいたママ友達は嘲笑します。誰も助けてくれません。
そんな彼女達に腹を立てながらも、身重なリエは大泣きするののの前で途方に暮れるしかありませんでした。「もうママが泣きたい・・・」弱るリエ。そのときでした。
「ののちゃん?どうしたの」
そう声を掛けたのはサキでした。リエに対し「大丈夫?」と言います。そして娘のミイちゃんと共にののちゃんに語り掛け、登園させるのでした。
驚くリエ。たどたどしくもサキに感謝の言葉を述べます。そして
「なんか私、いろいろあって・・・あなたにひどいことしちゃったーよね・・・」「ごめんね」
そう軽く謝罪したのでした。それに対し、サキは笑顔で言います。
「ううん、大丈夫。気にしてないよ」
勿論嘘です。リエの態度に散々苦しめられてきました。しかし、にも関わらず笑顔でそう答えたのは、過去のことを水に流したからでも、リエに遠慮したり萎縮したからでもありません。他のママ友と同じレベルに落ちたくなかったからに過ぎません。
リエのことは大嫌い、ですが幼稚園ももう少しで終わりです。小学校に上がれば顔を合わせることも減ります。そう考えれば、我慢してちょっと優しくするくらい容易いことです。
サキは考えます。リエとは距離感を間違えてしまったのだと。「子どもがいなければ決して仲良くならないタイプの人なのに」「子どもの仲良しは私の仲良しだと、仲良しでなければならないと大きなかん違いをしてしまった」と。
ママ友の怖さを身をもって知ったサキ。きっと子どもたちは中学校まで一緒になるだろう。しかし、この先は幼稚園の様に顔を合わせることもなくなるのです。サキは待ち遠しくて仕方ありませんでした。
⑦思わぬ幸運に恵まれるサキ・・・そしてラストのリエのセリフは…
そんなことを考えながら、忙しく楽しく日々を送っていたサキ。しかし、自身の体調に違和感を覚えます。もしかして、いやまさか・・・そう思いながら産院を訪れたサキ。
彼女は二人目の子どもを妊娠していました。喜ぶサキでしたが、頭のすみで考えてしまいます。
計算しなくたってわかります。あの人の子とまた同学年になってしまうと・・・
看護師と次の健診について話し合っていると、横から声を掛けられるサキ。
嫌な予感は的中します。そこにいたのはリエでした。
心底、嬉しそうにサキを祝福し、「じゃあまた子ども同級生だね!」と言います。
いやだ・・・、またくりかえしになるのか・・・そう思い言葉がでないサキ。
そんなサキの様子に構わず、強引に手を取るリエ。笑顔を浮かべながら捲し立てます。
「なんか運命感じちゃう」「これからもずっと仲良くしようね、サキちゃん」
「私たちママ友だもんね」
感想・考察
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①リエについて~ラストの言葉・セリフから考えられること
後半ではいじめる側のリエの心情も明らかになりました。しかし、彼女も辛かったのは分かりますが、もう少し心情を掘り下げて欲しかった感じもします。リエ自身、悪いことをしているという自覚はあったわけですが、サキがどれほど傷付いていたかまでは気付いていないのがなんとも救えません。セリフからも読めますが、「ちょっと悪いことをしてしまった」位の認識で、サキが本当に許してくれていると思っているから、ラストあんなことが言えるのでしょうね。しかし、いじめた側の認識ってこの例に限らずそんなものなのでしょうね。
②ラストは絶望的か?
まるでホラーの様な終わり方をしていますが、私は主人公サキの未来はそう暗くはないと考えています。
彼女は今回の件で「子どもと仲良しの子の母親が自分の仲良しではない」「子どものために無理にママ友と仲良くする必要はない」ということを学んでいます。これは格言と言っていいほど真理をついた言葉であると思います。そして井上さんとの付き合いを通して、ママ友との程よい距離感を知りましたし、「幼稚園のママ友関係」という世界がいかにちっぽけなものかも理解しています。
残念ながらリエの方は作中殆ど成長しておらず、今後もサキに執着してくるでしょう。しかし、色々と学び成長したサキは上手くあしらえるのではないでしょうか。夫も状況を理解してくれていますし、仕事という逃げ場もありますしね。そう考えると、彼女の未来はそう絶望するようなものではないと私は考えます。
・・・とりあえず、私だったら、産院変えますけどね。
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