【漫画】まんがグリム童話 金瓶巻42巻【感想・ネタバレ・考察】露々を追い出そうとする金蓮、しかし意外な行動を取ることに…

金瓶梅42巻表紙

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【漫画】まんがグリム童話 金瓶巻41巻【感想・ネタバレ・考察】西門家を去る春梅~そして嵐を呼ぶ新キャラ露々(るる)登場

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【総評】まんがグリム童話 金瓶梅【既刊43巻】~あれ?面白い?レディコミを侮るなかれ【感想・あらすじ・少しネタバレ】ラスト・結末は?

瓶児がいなくなり平和な日々が続いていた西門家。しかし、金蓮の生活が大きく変わる二つの出来事が立て続けに起こった。一つ目は最も信頼していた使用人の春梅との別れ。紆余曲折経て金蓮は春梅を彼女が秘かに想いを寄せていた周菊軒に嫁がせることに成功したが、春梅は西門家を去ることになった。そして、二つ目は西門慶の異母妹、露々(ルル)の出現。西門慶の最初の妻である青琴と慶の父、西門伯の間に不義の子として生まれ、その後すぐに養子に出され自身の出自を知らない露々は、伯と姜永鐘に唆され、異母兄である西門慶にひと目惚れ。実父である伯の冷酷さと狡猾さを併せ持つ露々は西門家の妻の座を手に入れようと画策するのであった…。

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以下、ネタバレ

189の巻~金蓮の元に新しくやってきた召使の少女、孝何。しかし、その背後には…

大旦那、西門伯の策略で西門慶に引き合わされた少女露々(ルル…これは愛称で本名は江露人)。彼女は慶の最初の妻、青琴と伯の間に出来た子、つまり慶の異母妹にあたるのだが、自身の出自を知らず、そのことを知っているのは慶と金蓮だけであった。露々は西門慶の妻の座を狙い、伯と姜永鐘の入れ知恵で自身の婚約者であった潘知伝を 『潘知伝から暴力を受けた』と陥れ、西門家に泣きつき、その後も狂言自殺を図る等してずるずると屋敷に居ついてしまった。

屋敷の四阿に集まっていた金蓮、嬌児、玉楼、雪蛾。玉楼以外はワザと「ララ」「リリ」等と名前を間違える。夫人達は皆、屋敷に居ついて旦那様、西門慶の同情を惹く露々が面白くないのだ。特に金蓮は『狂言自殺をしてみるところなんかは瓶児そっくりだ』と嫌悪感を露わにする。

そんな金蓮を大奥様、呉月娘が呼ぶ。『露々の嫁ぎ先が決まったのだ』と思った金蓮は喜んで月娘の元へ向かった。
やってきた金蓮に月娘は呂玉玲(ろぎょくれい)という初老の婦人を紹介する。彼女が露々の嫁ぎ先を斡旋してくれるという。『人を見る目がある』と玉玲を評価する月娘。しかし、今日西門家に来たのは露々の件ではなく、春梅の代わりとなる金蓮の部屋付きの召使を斡旋しに来たのだという。呂玉玲に連れてこられた少女、香児(こうじ)に対しては特に文句は無いものの、早速露々を追い出せると期待していた金蓮はガッカリしてしまう。呂玉玲は明日から香児をよこすと言って帰って行くのであった。

金蓮から新しい部屋付の召使が来ると聞いた秋菊は『上手くやれるか』と不安に思う。金蓮は呂玉玲のアクの強さから、肝心の香児の印象をあまり覚えていないものの、『春梅と髪型が同じだったから大丈夫だろう』とデタラメな励ましをし、内気で人見知りする秋菊はますます不安になるのであった。

一方、その頃、呂玉玲宅で香児が『流行り歌になる位の美男子の旦那様のいる家に行けるなんて羨ましい』『奥様達が寵愛を巡って争っているらしいが、優秀な香児なら大丈夫だろう』 等と他の使用人たちから祝福されていた。しかし、それを物陰から孝何(こうか)という一人の使用人の少女が恨めし気に見つめていた。『自分の方が優秀』『流行り歌にもなる美男の当主がいる家』『西門家に行くのは香児より自分の方がふさわしい』そう考えた孝何は主人である呂玉玲にそれとなく主張しようとするが、相手にされなかった。

『玉玲様は見る目がない』そう思っていた孝何が屋敷の外を歩いていると、甕の中を困ったように探っている香児の姿が目に留まった。中途半端に水が張ってある甕の中にお守りを落してしまったという香児。『もう少しで手が届く』と中に身を乗り出した瞬間、孝何は香児の足を蹴り払った。 その勢いで甕に頭から突っ込んでしまった香児は甕の水で溺れてしまう。

これは天が私が西門家にいくことをすすめているんだわ

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 25/239

孝何は笑ってその場を立ち去った。しばらくして、香児は溺死した状態で発見される。皆が悲しみに暮れるなか、孝何は玉玲に笑顔で『西門家に香児の代わりに誰が行くのか』と尋ねた。玉玲は一瞬考え込んだ後に『孝何にいってもらいましょうか』と言うのであった。

こうして、香児の代わりに金蓮の元にやってきた孝何。金蓮は秋菊に孝何に色々と教えるように言う。そして、

「私ね、とても気が短くて癇癪もちなの。好き嫌いも激しいから、そこはよろしく」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 28/239

そう宣言するのであった。

早速、孝何に色々と教えようとする秋菊。しかし、孝何は秋菊が人と話すのが苦手だと見抜き、『自分は勘が良いから大丈夫』と強気な態度を取る。実際に物覚えも良い孝何はそつなく金蓮の機嫌を損ねることもない。しかし、それに調子ついたのか、やってきた数日後、突然、孝何は部屋の引き出しの配置を変えようとする。『引き出しの並びは奥様のこだわりがある』と慌てて止めようとする秋菊。しかし、孝何は『召し使いの自分達が使いやすい方が良い』と言うことを聞かなかった。

その後、物の並びが変わったことに気付いた金蓮は案の定、怒る。咄嗟に孝何は秋菊のせいにしようとしたが、金蓮は孝何の頬をビンタし、機嫌を損ねて部屋から出ていった。残された孝何は怒りを秋菊にぶつける。『ちゃんと教えてくれればこんなことにならなかった』そう捲し立てる孝何。それに対して秋菊は言い返そうとするも、突然怯えた様な顔をしてその場から逃げ去る。そんな秋菊を孝何は『臆病な子』と鼻で笑い、『これから失敗を全部押し付けよう』と決めるのであった。

その日から、何か不手際があると全て秋菊のせいにする様になった孝何。しかし、秋菊はやはり怯えたような態度で反論もせず、ひたすら孝何を避けようとする。『本当に臆病者だ』そう思った孝何は、今度は使用人の間に『秋菊が有能な自分を僻んでロクに仕事をしなくなった』という悪評をバラまき始めるのであった。

その噂は月娘付の少女、梨花の耳にも届いた。めそめそした秋菊が苦手で、一度はいじめたこともあった梨花。庭で一人で落ち込んだ様子の秋菊を見つけると声を掛ける。『孝何さんとうまくいっていないの?』と尋ねると『違う、何でもない』と答える秋菊だが、嘘なのがバレバレであった。そんな秋菊に呆れながらも『言いたいことがあればハッキリ言えばいい』と梨花が言う。すると秋菊は変な汗をかきながら答えるのであった。

「あんなもの見た――といっても、誰も信じてくれない…」

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そう言って走り去ってしまった秋菊。秋菊の言動が理解できず、梨花は呆れてしまい、『よほど孝何と合わないのだろうが私には関係ない』と言い聞かせる。しかし、結局、梨花は秋菊を見捨てることができず、秋菊が思いつめた様子であることと秋菊が口にした意味深な言葉を金蓮に伝えるのであった。それを聞いた金蓮はそのことを自分に伝えに来た梨花に『あなたが私の部屋付になってくれたらよかったのに』とからかいながらも、梨花の話をしっかりと受け止めた。

その後、大奥様、呉月娘が孝何を呼び、『玉玲様からあなたの様子を聞かれました。西門家での生活はどうですか』と尋ねる。笑顔で自分の優秀さをアピールし、調子の良いことを延々としゃべり続ける孝何に、月娘の側にいた梨花は呆れてしまう。秋菊の言っていた『あんなもの』というのはこの孝何の性格のことかと考える梨花。しかし、月娘が孝何の話を遮って、孝何の代わりに来るはずだったが、病気になってしまったという香児のことを尋ねた瞬間、梨花は孝何の首もとに白い手のようなモヤを見てしまい悲鳴を上げる。慌てて誤魔化してその場を去る梨花は気味の悪さに怯えるのであった。

一方、相変わらず孝何に怯え、潜むようにして過ごす秋菊。突然背後から声を掛けられ身をすくませるが、そこにいたのは金蓮だった。驚く秋菊に金蓮はこう言う。

「あのね、ひとつおまえにいっておくけど」
「何があっても秋菊は秋菊だから。おまえはおまえ」
「私はそれでいいと思ってるから」

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照れたようにそう言い、『孝何が何を言っても気にするな』と立ち去る金蓮。その言葉に秋菊は久々に明るい表情をするのであった。

その後、部屋で金蓮は秋菊と孝何に突然『刺繍をしたいので蝶の型紙がほしい』と言い出す。すぐに型紙の場所が分からない秋菊、そして苛立ちそんな秋菊を叱りつけようとする金蓮だったが、それより先に孝何が秋菊を罵った。そして同意を求めて笑いかけた孝何に金蓮は厳しい表情を浮かべる。

「なぜそれをおまえがいうの」
「秋菊の悪口をいっていいのは私だけよ」

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驚く孝何に秋菊に謝るように言う金蓮。仕方なく孝何は困ったようにしている秋菊に謝るも、『この私が頭をさげるなんて、許せない』と内心は屈辱に震えていた。

夜になり金蓮から『休んで良い』と言われ部屋から出た秋菊と孝何。すると孝何は秋菊に掴みかかり、『どうしてかばってくれなかった』『約束を破った』と責め立てる。すると孝何の予想に反して、秋菊は『そんな約束はしていない』と反論する(本当にそんな約束はしていない)。驚きながらも『仕事もできないくせに生意気』だとなおも罵る孝何。しかし、そんな彼女に秋菊は『ひとつ聞いてもいいですか』と言う。

「孝何さんの後ろにいる女の人は、どなたですか?」

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何を言っているのか…そう動揺する孝何に怯えたように秋菊は続ける。最初は白い手が肩にあるのが見えるだけだった。しかし、それは孝何が秋菊に怒り罵る度にハッキリしていき、今では髪がびっしょり濡れた女の人が背中にしがみついているのが見えるのだ。

『もうすぐ顔が見えそうだ』。『後ろにいる人はとても怒っているので謝った方がいい…』そう怯えたように言う秋菊。それを『うるさい』と遮る孝何。『玉玲様の所で皆が西門家がすごいというから期待してきたのに、全然いい場所ではない』『奥様は意地悪で召使は愚鈍、噂の美男の旦那様もまだ一度も見れていない』そう捲し立てた孝何は思わず『こんなことなら香児を殺さなければよかった』と口走りそうになり、慌てて自室に駆け込むのであった。

『まるで私の後ろに香児がいるみたいに言うなんて』そう秋菊を不気味に思う孝何。『私は直接手を下したわけではない、香児を殺したわけではない。恨まれるのは筋違い』そう自分に言い聞かせて寝台に腰を下ろす。
しかし、次の瞬間、孝何はまるで見えない何かに押さえつけられるようにバランスを崩し、寝台の横の水を張った桶に頭から落ちてしまう。悲鳴を上げる孝何。最期に孝何が見たものは、自分の足を掴み上げる、ずぶ濡れで恐ろしい形相をした香児の姿であった…。

疲弊した月娘の元に玉玲がやってくる。『この度は…』と駆け寄る月娘に玉玲は『孝何が死んだ時の状況を包み隠さず教えてほしい』と言う。
『部屋の中で半分ほど水が入った桶に顔を突っ込んで溺死』…それを聞いた玉玲は事の不可解さに困惑する月娘に
『不吉な事件を起こすようなものを送って申し訳ない』『この埋め合わせは露々の縁談で埋め合わせる』と言って帰っていくのであった。

玉玲は本当は孝何が西門家に行きたいがために香児を見殺しにしたと薄々勘づいていた。しかし、嫌われ者の孝何を厄介払いしたいのも敢えて見逃していたのだ。そして『これは内緒にしておきましょう』と一連の出来事を胸の内にしまい込むのであった。

再び四阿で嬌児、玉楼、雪蛾と雑談に興じる金蓮。今回の事件について労わられた金蓮は『新しい召使を入れるのが面倒になった』と言う。秋菊一人では回らないのではと言う雪蛾に対して『なんとかなる』と言い、『春梅は特別だったから、どうしても彼女と比べてしまうし、春梅の様な子にはもう二度と会えないかも』と答える。そして、再び皆と露々の悪口を言い合うのであった。
そして、秋菊は相変わらず金蓮に叱責され続けるも、穏やかな日々が戻ってくるのであった。

190の巻~ついに露々(ルル)に縁談が。露々を追い出せると喜ぶ金蓮だったが、相手親子の酷さに…

部下の陳経済に自身のねえやであり、最初の妻であった青琴の話をする西門慶。慶の父である西門伯との間に出来た娘、露々を産んだのち、自ら死を選んだ青琴。そんな彼女の遺言に従って露々を養子に出した慶。青琴と慶の苦悩をあざ笑うように、今更になって露々を探し出して連れてきた父、伯への怒りを慶は吐露する。そんな慶に陳経済は『露々が慶の妻の座を狙っているという噂が広まっている』と告げる。『異母妹なのに馬鹿を言うな』と憤る慶に陳経済は『皆はその事実を知らない』『伯は慶と露々が過ちを犯すことを狙っているのかもしれない』と言う。慶と陳経済は『やはり露々には西門家で良い嫁ぎ先を見つけてやるのが良いだろう』ということで意見を一致させるのであった。

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一方その頃、金蓮はエンレイに愚痴を聞かせていた。飼い猫の雪獅子にばかり気を取られるエンレイに苛立ちながらも、金蓮は『露々の縁談がまとまりそうなこと』『そして玉の輿であるため、今度は逃げられない』と笑うのであった。

寝台で具合が悪そうに振る舞う露々(仮病)の元に、大奥様、呉月娘がやってくる。そして『あなたのために良い縁談を持ってきた』と告げる。相手は元刑部長官の孫だという。突然の話に戸惑い断る素振りを見せる露々。しかし、そんな露々に月娘は笑顔を浮かべながらも、『刑部(慶の官職)絡みのこの縁談を断ったりしたら西門家や旦那様(慶)の立場がどんなに悪くなることか』と凄むのであった。そして、『この縁談は旦那様も喜んでいて、露々を西門家の養女にして、嫁がせようと考えている。』と告げる。それに露々は『そんな…』と愕然とするのであった。

四阿では金蓮他婦人達がこの、玉玲が持ってきた縁談話に喜んでいた。『元刑部長官なんて最強の切り札』『これなら断ることができない』と笑い合うのであった。

その夜、露々は『こんなはずではなかった』『薬師のおじさま達の話と違う』と困惑し、苛立っていた。
当初、幼い露々は潘知伝との縁談を特に疑問を持つことなく、受け入れていた。しかし、そんな露々に 『潘知伝では露々と釣り合いが取れない』西門慶の父、伯と伯の腹心の姜永鐘が入れ知恵したのであった。

『ルルちゃんは自分がどんなに可愛いか分かっていない』『成長すればもっと美しくなり、おまけに賢い』 『あんな平凡な男に自身を安売りしてはいけない』…そう言われて、少し考え込んだ露々は『どうやったら釣り合いの取れる人と知り合えるか分からない』と答えた。すると姜永鐘は『いい人に会わせてあげる』と言った。そうやって引き合わされたのが西門慶であったのだ。

露々がそんなことを思い返していると、部屋に慶が訪ねてきた。笑顔で縁談の話をしてきた慶に露々は泣き出す。『私の気持ちを分かってくださらないのですか』と涙を流しながら言う露々に困惑する慶。そんな慶を見つめながら露々は更に言うのであった。

「私…旦那様が好きです」
「私、旦那様の奥様になりたい」
「旦那様でなきゃ、イヤッ!!」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 82-83/239

そう言ってすがり付く露々を慶は愕然としながらも、押しやり、『ダメだ』と言う。しかし、露々は納得せず、『何故自分ではダメなのか』『嫌いなのか』と泣きながら延々と続ける。慶は陳経済の言っていた『伯は慶と露々が過ちを犯すことを狙っているのかもしれない』と言う言葉を思い出し、凍り付くのであった。

そのことを金蓮に相談する慶。金蓮は『やっぱり』と驚く様子もなく、『露々の旦那様を見る目は女そのものだった』とハッキリ言う。

慶はあの後、露々に『露々のことは妹の様に思っており、女として見れない』『自分には妻が5人もおり、これ以上妻を持つつもりはない』と告げた。すると露々は泣き続けたものの、何も言わなかった。

それを聞いた金蓮は、そこまで慶がハッキリ言ったのなら露々もさすがに諦めるだろうと笑った。これで瓶児を彷彿させる露々を見なくて済むと思うとせいせいするのであった。

しかし、当然露々が納得している訳はなかった。一人になった露々は考える。今まで深窓の令嬢として大切に育てられてきた露々は未だかつて、思い通りにならないこと、手に入らないものは無かったのだ。

どうして露々が好きになった人が露々を好きになってくれないの!!
そんなのありえない

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絶対に旦那様の奥様になる…露々はそう決意するのであった。

縁談に先立ち、西門家は先方と食事会をすることとなった。何故か元刑部長官の孫以外は女人のみ、料理は特別に料理人を招くということで、厨房を普段受け持つ雪蛾は不満気だった。

そして、露々は食事会に着ていく服を取りに行くためと実家に一度帰る。縁談を大層喜んでいる露々の両親(養親)は薬師(伯と姜永鐘)から薬箱を預かっていると露々に渡す。西門家(製薬が生業)の手前渡しにくいが、露々がよく使っていた薬が入っていると言う。一人になった時に箱を開ける露々。そこには鳥の形をした笛と『連絡を取りたかったらこの笛を吹きなさい』と書かれた紙が入っていたのだった。それを見て露々は笑うのであった。

そうして食事会の日がやって来た。やってきた縁談の相手、元刑部長官の孫の陽祥明(ようしょうめい)は一見すると爽やかそうな好青年であった。『普通』『無難』等と感想を言い合う夫人達。金蓮も『これじゃあそこそこ上手く行きそう、つまんない』と思うのであった。

しかし、露々が自己紹介しようとしたそのとき。『ちょっと待ってえ』『私が先にお相手を確かめます』…そういって飛び込んできたのは祥明の母親であった。 そして、母親に対して『マーマ』『お願いちまチュウ』と答える祥明。
強烈な祥明の母親、そして濃厚な母と息子の関係に唖然とする金蓮達。月娘が縁談を持ってきた呂玉玲に視線を送るも、呂玉玲自身もこの母親の存在を知らされていなかったようで困惑していた。祥明の母は、露々が息子の相手としてふさわしいか、この場で見極めるためにやってきたと言う。

微妙な空気の中、食事会が始まった。祥明の母は『祥明ちゃんのお世話の仕方を見せますね』と露々に言い、汁物をれんげに取って、幼児にしてやるように息を吐きかけ冷ましてから『アーン』して食べさせた。ドン引きする一同。更に肉に至っては母親が噛み砕いたものを吐いて与え、祥明の口元が汚れると食べかすを舌で舐めとるのであった。その様子に凍り付く婦人達。あまりの不愉快さに目を背ける金蓮。露々も硬直していたが、祥明の母は露々に『今の通りにやってみて』と言うのであった。

気落ちしながらも、祥明の母の指図通り、汁物を祥明の口元へ運ぶ露々。しかし、熱かったようで祥明は吐き出し、母が慌てて口に含んだ水を口移しで飲ませる。そして、露々を叱責するのであった。露々は泣きながら祥明の母に謝罪する。その様子を見て『あんな義母がベッタリなら泣きたくもなるわよ』と思う金蓮。気を利かせた呂玉玲と月娘が『露々は緊張している』『二人で庭でも散策したらどうだ』と提案するが、結局、露々と祥明に母親もついて行ってしまった。三人の背中を見送りながら、『さすがにあれは可哀想』と言い合う婦人達。金蓮は少し考え込み、そっとその場を立ち去る。一方、料理に口をつけた雪蛾は『この味…』と何かに気づくのであった。

露々達の姿を探す金蓮。あの親子のことだ、人目が無いところに行けばもっととんでもないことをやらかすに違いないと考えたのだ。
案の定、人目のつかない滝の裏に向かう祥明親子と露々の姿を見つけた金蓮。追いついた金蓮が目にしたものは、『祥明ちゃんの妻となる女の体を確かめる』と言って露々を押さえつける祥明の母の姿であった。そして、それを止めることもしない祥明。その上祥明と母はなんもそのままいちゃつき始める。露々は耐えきれず、二人の元から逃げ出す。そこで物陰から一部始終を見ていた金蓮とばったり 。

屈辱と悔しさから金蓮を睨みつけた露々。その場から立ち去ろうとするが、『あんな男に嫁ぎたくない』と本音を零す。冷たく『旦那様にお願いしてみたら?』と返した金蓮。すると露々は『私が断ったら旦那様の面子が立たない。旦那様が困ることはできない』と言って泣き出すのであった。その露々の言葉にハッとする金蓮。

私はあなたぐらいの年頃の不幸な娘を見るのが死ぬほど嫌いなのよ

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 116/239

思わず露々を抱きしめるのであった。

その後、西門慶と大奥様、月娘の元に露々が受けた仕打ちを語り、『何とか断る手立てはないか』と訴えた金蓮。その横で泣き続ける露々。食事会の様子を見ていた月娘は金蓮の意見に同意し、『露々は幼く未熟なため祥明の世話はできない』ということで辞退の許し請い、二人で祥明の元にお詫びに行こうと慶に提案する。慶もそんなところに露々を嫁がせたくないと、月娘の提案に賛成するのであった。

部屋を出た後、露々は金蓮に頭を下げる。『まさか私をかばってくださるなんて』『この恩は忘れない』等お礼の言葉を連ねる露々に金蓮は『お礼はいらない』『急に素直にされても気持ち悪い』と素っ気なく言い、去っていった。
金蓮の背中に深々と頭を下げ続ける露々。そして、笑うのであった。

うまくいった。こんなにもうまくいくなんて、露々にはやっぱり強運がついているんだわ

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 119/239

夜の庭で例の笛を吹く露々。するとフクロウがやってくる。露々はフクロウに手紙を持たせる。

「薬師のところに返事を持っていってね。めでたくこの家の養女になれたの。ずっと旦那様の側にいられるわ」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 120/239

こうして露々は縁談から逃れ、西門家の養女という立場を手に入れたのであった。

191の巻~西門慶の妻の座を手に入れるため、お茶会で夫人達の毒殺を謀る露々(ルル)

結局露々は意に沿わない元刑部長官の孫との縁談から逃れた上、西門家の養女という立場を手に入れた。

「せっかくルルを追い出す好機だったのに、まさか金蓮に邪魔されるなんて」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 123/239

四阿でいつもの通り、過ごす夫人達。金蓮は『将来露々が陽家の権力を使っていた西門家に復讐するのを回避した』と言い訳をするが、皆からは『可哀想に思ったのだろう』『情に流されただけ、甘い』と笑われてしまう。露々は今日は持病の薬を作るため、店の方に行っているという。それを聞いた金蓮は薬店なら陳経済がいるので露々もおかしな真似はできないだろうと思うのであった。

一方、西門薬店。そこには露々だけでなく、西門伯と姜永鐘の姿があった。案内をしてその場からさる陳経済。沢山の薬草が並んだ部屋に露々は無邪気な笑顔を見せる。元々興味を持っていたと言う。そして、今日は相談事があって、露々は伯と姜永鐘を呼び出したのだ。

以前、露々が慶に気持ちを打ち明けたとき、慶は『すでに5人も妻がおり、新しく妻を迎える気はない』と言って露々を拒絶した。

「奥様の数がひとり減ったら、ルルの場所ができて、旦那様はルルを奥様にしてくださると思うの」
「名案でしょ」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 129/239

そう言って微笑む露々。伯が『具体的な策はあるのか』と尋ねると、『日頃の感謝を込めてという名目で茶会を開き、そこで一人毒殺する』と言う。そのための毒薬がほしいと言う露々。『作り方を教えてくれるなら自分で作る』と言う露々に『面白い娘だね』と微笑む伯は協力を約束する。姜永鐘はそんな二人を見て『さすが親子』と心の中で呟く。一方、その様子を部屋の外から陳経済は盗み聞きしているのであった。

西門家に戻った露々は早速、大奥様、呉月娘に『将来に備えて持病の薬の作り方を覚えるべく、しばらく薬店に通いたい』ということと、『日頃の感謝を込めてお茶会を開き、大奥様や他の夫人達を招きたい』と申し出る。笑顔で了承する月娘。露々は他の夫人達にも声を掛けることにする。

まず真っ先に金蓮の元へ向かった露々。しかし、『先日のお礼にお茶会のお誘いに』と言いかけると、金蓮に『毒でも盛られそう』と言われギョッとしてしまう。『図星?』と涼しい笑顔で問う金蓮に露々は『ひどいです』と答えるが、『あなたのことを信用できないから』と更に言われてしまう。金蓮は『他の奥様方が全員あなたの茶会に参加するならば、信用して参加してあげる』と言うのであった。

早速四阿で他の夫人達に、露々にお茶会に誘われたと話す金蓮。夫人達は皆、ここにいる間のご機嫌取りだと推測する。前回縁談を持ってきた呂玉玲も諦めておらず、また新たに露々の縁談を探しているようで、恐らくそれから逃れたいというのもあるのだろうと。夫人達はその話題で盛り上がるのであった。

そして、四阿から戻る途中、第3夫人の孟玉楼を露々が呼び止めた。占いが好きな玉楼に『どうしたら友人ができるか占って欲しい』という。占ってやり、『西の水辺で拾ったものを大切にするとよい』と露々に告げた玉楼は、『露々はまだ子どもで寂しがっているだけなのでは』と考えるのであった。
そんな玉楼の元を去った露々。『玉楼は占いが好きだと言うから試してみたら簡単に引っかかった』と意気揚々の露々は言われた通り、西の水辺で”宝貝”を拾い、笑顔でそれを玉楼に見せに行くのであった。

露々が拾ったのは宝貝ではなく、固まった動物のフンだったが、嬉しそうな露々に真実を告げられないと四阿で皆に零す玉楼。夫人達は呆れるのであった。
夕飯の支度のために四阿を出た雪蛾。すると、それを露々が呼び止める。『今度は私のところか』と思いつつ雪蛾は露々の話を聞く。『料理を教えて頂きたい』と言う露々。『あなたの様なお嬢様に出来るとは思えない』と冷たく突き放すも露々がなおも食い下がるため、雪蛾は『毎朝4時に井戸水を7つの鍋一杯に汲むのを一月続けたら教えてやる』と言う。甘やかされて育った露々に続けられるはずはないと高をくくっていた雪蛾。しかし、露々は予想に反して召使に頼ることなく一人で毎朝水を汲み続けた(梨花に朝は起こしてもらっているが)。

四阿でそのことを好意的に語る雪蛾。『雪蛾姐さんまでほだされるなんて』と顔をしかめる金蓮に、嬌児が『たかが、小娘のお茶会なのだから皆で行ってもいいのではないか』と言う。その嬌児の様子に『さては買収されましたわね』と笑う金蓮。嬌児は慌てて否定するも、図星で、露々に『投資して増やしてほしい』と少なくない額の金を渡されていたのだ。こうして露々は夫人達それぞれに見合った方法でうまく取り入っていったのだった。

西門薬店で再び伯と姜永鐘と落ち合った露々は伯が作ったというあるものが入った箱を受け取る。『お茶会の成功を祈る』と言う伯に喜びのあまり抱き着く露々。姜永鐘は心の中で『怖い親子だ』と思うのであった。

数日後、再び金蓮の元に露々がやってくる。他の夫人達がお茶会に来てくれることになったと告げる露々に、金蓮は渋々茶会に参加することを了承する。露々が去った後も機嫌が直らない金蓮。するとそこに陳経済からの伝言を預かったエンレイが訪ねてくる。

「狼が子山羊に薬箱を渡したのでお気を付けになるように――とのことです」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 151/239

その言葉から、金蓮は露々が本当に自分達を毒殺しようとしていると知り、激しく怒るのであった。

一方の露々は上機嫌であった。世話を任せられている梨花はその様子を怪しむが、露々は『茶会が楽しみなだけだ』と誤魔化す。梨花が部屋を去ると、伯から受け取った箱を眺めて冷酷な笑みを浮かべる露々。すると、猫の鳴き声がした。窓の外に、金蓮の飼い猫、雪獅子がいたのだ。金蓮の飼い猫だと知らない露々は雪獅子を見て、『きれいな猫』と喜び、部屋に入れる。雪獅子に山羊の乳を与えながら露々は『ルルの計画を聞いて』と語りだす。

お茶会で毒を盛って夫人を殺そうと考えていた露々。しかし、そのことを伯に相談した際、『お茶に毒を盛るのでは、バレて西門家にいられなくなる』と言われたのだ。

庭に出た雪獅子を追いかける露々。庭に生えた草を噛む雪獅子に、『隣の花を咲かせた木は齧ってはいけない』と言う。可愛らしい花を咲かせるその木の根には強い毒があるのだ。

「お茶会でみんな口に入れるものは毒を疑うけど、違うの」
「指を洗う器に根汁を入れて花を浮かべるの。薬師が教えてくれたの。どう、いい考えでしょ」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 158-159/239

フィンガーボールに強い毒を持つ根汁を混入する。その毒は指で触れるだけで体内に吸収され、昏睡状態に至らしめる…笑顔でそう語る露々は雪獅子の首輪に木の花を挿し、『また遊びに来てね』と手を振るのであった。

一方、金蓮の庭で雪獅子を待つエンレイ。エンレイは雪獅子に惚れこんでいるのだ。すると、雪獅子が戻って来てエンレイの胸元に飛び込んできた。『男の人に雪獅子が抱かれるのは初めてだ』と金蓮が言い、エンレイは喜びのあまり卒倒しそうになる。金蓮とエンレイは雪獅子の首輪に差された花に気付くが、金蓮は『雪獅子からエンレイへの贈り物ではないか』と言い、エンレイに持たせて帰るのであった。

そして、夜、自室に梨花を呼びつけた金蓮。露々の世話を任されている梨花に、露々の薬箱をこっそりと持って来させたのだ。箱の中身は乳鉢やすりこぎ等、跳躍に用いる道具一式。しかし、花を摘んだりしているばかりで使用している姿は見ていないと梨花は言う。
お茶会当日は、使用する器は大奥様、呉月娘、茶葉は第3夫人の玉楼が用意し、料理は第4夫人の雪蛾が見張り、卓上の支度は露々だけでなく梨花が一緒にする予定だ。結局、なんだかんだと皆、露々のことを警戒し、信用はしていないのだ。肝心の毒は見当たらないが、ここまで皆で注意していれば毒を混入することは不可能だろうと金蓮は考えるのであった。

そして、茶会当日。梨花と共に卓上の支度をする露々はフィンガーボールに花を浮かべて笑うのであった。

茶会の支度が整ったという知らせを受け、着替えようとした金蓮、すると『五奥様』と庭から声を掛けられる。声の主は陳経済であった。『雪獅子が持ってきた花の根汁が猛毒だった』という事実を告げる陳経済。驚く金蓮。伯が思わせぶりな箱を露々に渡したのはそちらに皆の注意を惹き付けるためだったのだ。『この花をどう使うか分からないが注意するように』と陳経済は金蓮に警告し、庭師としての役目も背負っている彼は花の木を切り倒すことにするのであった。警告を受けた金蓮は『どうしてやろうか』と考えながら茶会に向かうのであった。

茶会の場所は夫人達がいつも集まる四阿であった。露々に席を案内される金蓮が卓上を見ると、そこには花を浮かべたフィンガーポールがあった。『これはかわいいわね』と笑顔を向ける金蓮。露々はワクワクしたような無邪気な笑みを浮かべている。同じく笑顔のまま、金蓮は『よければ私の隣に来ない?』と露々を誘う。そして、喜んでやってきた露々のさり気なく足をかけて転ばせるのであった。

転んだ勢いで卓上に突っ込んだ露々はフィンガーボールの水を被ってしまう。『毒が体に…!』そう思った露々は悲鳴を上げて、四阿を飛び出し、側の池に飛び込むのであった。騒然とする夫人達。池から顔を上げた露々に金蓮は笑って言う。

「あらあら、ルルさん。急にどうしたの、虫でも湧いたの?」
「それとも、私がその理由をいってさしあげましょうか?」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 175/239

バレてた…唖然とする露々。しかし、すぐに強い眼で金蓮を睨みつける。
こうして金蓮とルルこと江露人の確執はますます深まったのであった。

192の巻~小旅行に行く夫人達…そこで金蓮は不思議な少女と出会う

夫人達皆、毒殺しようとした露々であったが直前で金蓮にバレた挙句、自ら池に飛び込む羽目になった。その事の顛末を金蓮から聞いた西門慶は動揺する。金蓮は今回の真相をまだ他の夫人達に話していないものの、裏には大旦那である慶の父、伯が絡んでいることもあり、このままではいつか大事になると慶に忠告する。『旦那様(慶)が露々を不憫がるのは分かるが、これ以上おかしな真似をするならタダで済ませるつもりはない』と言い切る金蓮。苦悩しながらも『分かった』と答えた慶。金蓮はそんな慶に皆で慰安小旅行をしたいとねだる。勿論露々は留守番で。池に飛び込んだ露々は風邪をひいてしまい、そもそも行ける状態ではないのだ。

翌日、早速四阿で他の夫人達に金蓮が旅行の話をすると皆乗り気であった。第3夫人の玉楼が『近くの5仙峡に「五仙荘」という湯浴み場ができて、そこにある五仙の湯に入ると願い事が叶うという噂がある』と言い、皆がそこに興味を持ったため、旅先は「五仙荘」に決まったのであった。慶は後から合流することとなり、夫人達とその召し使いが先に出発する(ただし秋菊は車酔いするため留守番)。

季節は秋で五仙峡の紅葉は美しかった。道の途中で宿泊する「五仙荘」の者達が迎えに来る。ここから「五仙荘」までは綱を通した籠に乗って山峡を移動し、空を飛ぶ天女の気分を味わえるというのだ。早速乗ろうとする夫人達。籠は2人乗りだという。

そこで金蓮は牡丹を持った美しい少女に声を掛けられる。『幸運を招く』と言って金蓮に牡丹を渡そうとする少女。しかし、金蓮を案内しようとする「五仙荘」の男にぶつかられ、踏みつけられてしまう。男を叱りつける金蓮。しかし、男は舌打ちし、『虫でもいましたか』と言うのだ。その態度に更に文句をつけようとするが、少女にいつものことだから…と止められてしまう。少女を不憫に思った金蓮は一緒に乗ろうと誘い、二人で籠に乗り込む。そして、その様子を「五仙荘」の者達は目配せし合いながら見つめるのであった。

籠からみる山峡の景色は素晴らしく、金蓮は少女とともに『本当に天女になったようだ』と喜ぶ。金蓮が名を尋ねると少女は「いくみ」と答え、山頂に見える建物には「平間仙人」という変わり者だが良い仙人が住まうと金蓮に教える。そして、籠が到着し、降りると金蓮に牡丹を渡し、姿を消すのであった。

「五仙荘」に到着した夫人達。 「五仙荘」 の主人がやってきて「五仙の湯」について説明する。健康・長寿の効能がある松仙の湯、金運が上昇する金仙の湯、穢れを落す清仙の湯、知力が向上する明仙の湯、そして、若さと美貌をもたらす牡丹の湯があると。どれも一人ずつしか入れないと説明する主人。皆、離れ湯になるので案内は主人の孫娘が行うそうだ。夜中や明け方がおすすめだという。

お金にがめつい第2夫人の嬌児は早速、金仙の湯に向かった。金蓮は散歩に出るが、またしても「いくみ」に声を掛けられる。
金仙の湯に浸かり、リラックスする嬌児。すると、お湯が微かにきらめいていることに気付く。『これは砂金だ』と驚く嬌児。『持っていっても良いのよね…しまった、すくう道具がない』と慌ててしまう。するとそこに、金蓮がやってくる。困惑した表情の金蓮は『嬌児姐さん、これっている?』とこし器を手渡してくる。『いる!』と叫んだ嬌児は自身の部屋付きの召使、夏花に来るように伝えてと金蓮に頼み、砂金をかき集め始めるのであった。

また、第3夫人の玉楼は明仙の湯に向かっていた。するとそこに金蓮が現れ、『これを持って入るように』と大量の果物を玉楼に渡す。何かの験担ぎかと戸惑いながらも果物を明仙の湯に浮かべて入る玉楼。すると、温泉に猿が次々と入ってくる。驚く玉楼だったが、猿を見て『この神々しい毛並み、知性を宿した眼差し…もしや、知恵の仙人が猿の姿を借りて私のために集まって下さったのですね』と喜びありがたがるのであった。

湯に入らず部屋から外を眺める第4夫人雪蛾。金蓮がどこの湯に行くのかと尋ねると『健康第一の松仙の湯だ』と答える。そんな雪蛾に金蓮は『いくみがこれを持っていくと良いと言っていた』と野菜と卵を渡す。とりあえず持っていくと言う雪蛾。すると、そこにのぼせて召使の夏花におんぶされた嬌児が戻ってくる。『なぜ、あの道具を渡してきたのか』と尋ねる嬌児に金蓮は『「いくみ」が言ったから』と答える。そこに満足した様子の玉楼も『果物が大変役に立った』と言いながら戻ってくる。
『「いくみ」さんとはどなた』と大奥様、月娘から尋ねられた金蓮。『牡丹売りの娘だ』と答えるのであった。

『ならばきっと自分にもいいことがあるはずだ』と野菜と卵を持って松仙の湯に向かう雪蛾。湯を眺め、お湯の湧口に気付いた雪蛾は『料理に使える』とひらめく。
『みんなこれ食べて!』と興奮しながら部屋に戻ってきた雪蛾。松仙の湯で湯がいた野菜と卵は大変美味で、雪蛾は『もっと他の素材も試さなくては』とはしゃぐ。
『湯に入りに来たのでは…』と他の夫人達は内心思いながらもその様子を見守る。満足する他の夫人達を見た月娘は「いくみ」に礼を言いたいと言う。金蓮は連れてくるといい、部屋を出た。

「五仙荘」の主人の孫娘に「いくみ」がどこにいるか尋ねる金蓮。しかし、『そんな娘知らない』と言われてしまう。そして、孫娘は別の女性客を牡丹の湯に案内していく。

案内された女性客が温泉を堪能していると、突然頭から袋を被せられ、詰め込まれてしまう。『お前の親もいい副業を思いついたな』そう言った従業員の男は孫娘にお金を渡す。この「五仙荘」はめぼしい女性客を捕らえ、売り飛ばしていたのだ。『すごい美人の奥方達が今宿泊している』『中でも一番の美人を連れてくる。きっとものすごく高く売れるはずだ』そう孫娘は笑うのであった。

外で「いくみ」を見つけた金蓮。いくみは金蓮に『大奥様には湯に明け方に入るように言って欲しい。夜は絶対にいけない』と言う。何者なのかと問う金蓮に「いくみ」はただの花売りだと誤魔化す。そして、金蓮が視線を外したすきにまたいなくなってしまうのであった。

月娘に「いくみ」を連れてこれなかったことと、彼女から預かった伝言を告げた金蓮。月を観ながら楽しもうと、牡丹の湯に向かう。暗い中、孫娘に連れられ道を行く金蓮。物陰では男達が連れ去る準備をしている。
牡丹の湯に辿り着いたそのとき、湯の向こう側に「いくみ」が立っているのを金蓮は見つける。呼びかけた金蓮を『牡丹の湯はこっちだ』と更に奥に連れて行く「いくみ」。先は崖であり、金蓮は「いくみ」と共に落ちてしまうかと思われた。しかし、下に足場があり、洞窟の様に岩場の奥に温泉が広がっていた。『下にもう一つあったのね』と驚く金蓮に「いくみ」は『ここが本当の牡丹の湯で、この湯に浸かれば生涯美肌と潤いに恵まれる』と語るのであった。

温泉に浸かり満足する金蓮。すると、上から『誰もいないぞ』『そんなはずは』等々声が聞こえてくる。疑問に思う金蓮に「いくみ」は『明日になれば大奥様が片づけてくれますわ』と言う。そんな「いくみ」に金蓮は今一度正体を問うのであった。すると、山頂の建物に灯がともった。『平間仙人が私に気付いて迎えに来てくれる』と言う「いくみ」。

「私は平間様にお仕えする仙女です」

まんがグリム童話 金瓶梅 42巻 223/239

そう告げる「いくみ」。平間仙人は牡丹の花が好きで、あるとき牡丹の中でも取り分け美しいとされる「百王」が欲しいと言った。自分が取りに行くと言って300年前に下界に降り立った「いくみ」。しかし、下界は思いのほか穢れており、「百王」を手に入れたものの霊力が落ちてしまいこの場から動けなくなってしまったという。『そんな私に声を掛けてくださったのが金蓮さん』と言う「いくみ」。金蓮は自身が「百王」を持っていることを告げる。きっと百王の精が力を貸してくれたのだろうと語り合うのであった。

そこに「いくみ」を迎えに平間仙人がやってくる。「百王」を差し出す「いくみ」に『いくみが無事に戻ってきてよかった』と笑い、手を取り夜空に昇っていく。そして牡丹の湯に浸かる金蓮に『美人増し増しにしといたよ』と手を振り去っていくのであった。

翌朝、湯に向かう大奥様、呉月娘。「五仙荘」の孫娘と従業員の男達は月娘をさらう手はずを整えている。すると、『そこまでだ!』『つかまえろ、人さらいだ』と怒号が上がる。金蓮が事の次第を月娘に知らせたおかげで、刑部が踏み込み、「五仙荘」の人さらい事件は解決したのであった。

遅れてやってきた西門慶は山の下に良い宿があるのでそちらに行こうと皆に言う。そして、空に向かってほほ笑む金蓮にどうしたのかと尋ねる。『旦那様には見えませんか?残念ですこと』という金蓮。その目線の先には雲の上から仲良く寄り添う平間仙人と「いくみ」の姿があったのだった。

恒例のおまけ漫画、閨秀小噺~悩める琴童に旦那様、慶は…

いつにも増してぼんやりとしている付人、琴童を叱る西門慶。なにやら琴童には悩み事があるようで、慶は聞き出す。
『エンレイが想い人から花をもらったと浮かれて見せてきた。悔しい、自分も想い人が欲しい』と叫ぶ琴童。『想い人がいないほど辛いことはない』と理解を示した慶。『私では虚しい気持ちを慰めることはできない』と言う。

しかし、『花を贈ることはできる』と庭の花を手折り、琴童に差し出すのであった。そんな主人にキュンキュンしてしまう琴童。慶は『そのうちいい娘が現れる』と肩を抱いてやる。
…後日、エンレイに花を送ったのは金蓮の飼い猫、雪獅子であったと聞いた慶は唖然とするのであった。

以下、感想と考察

情に流されてしまった金蓮と意外と子どもな露々

冷静に見ると、露々を追い出すどころか、『西門家の養女』という立場だけ与えてやってしまったことになっている。これは痛い。やっぱりそういう情に流されるところ、詰めの甘さが王婆が以前から指摘している通り、金蓮の弱みだろう。一方、露々はそんな金蓮の弱点を突く等狡猾であるものの、お茶会の失敗の反応等を見ると意外と子どもなんだなとも思った。まだまだ金蓮と渡り合う能力は無いようだ。なんだかんだ西門伯と姜永鐘に頼りっぱなしだし。金蓮の飼い猫、雪獅子と触れ合う様子なんか、普通に可愛いと思ってしまった(語り掛けてる内容がえげつないけどね!)。…しかし、子どもだからこそ何をしでかすか分からないから怖いんだろうな、この先…。だって、これからどう成長するか、分からないもの。

食事会の料理に何かあった?意味深な雪蛾の反応

それにしても、露々と祥明の縁談の食事会のシーン。普段厨房を取り仕切っているのに、今回は料理を任せてもらえなくて面白くなさそうな第4夫人の雪蛾。しかし、彼女は出された料理を訝し気に眺め、口にすると『…この味』と意味深な反応を見せる。しかし、このことが何を表していたのか、この42巻では明らかにならないまま終わった。

…え、一体何だったの??結局、露々と祥明の縁談は流れた訳だけど、この伏線は回収されていない。ここまで引っ張るのはちょっと珍しい気がする。
何か薬でも仕込まれていたか?しかし祥明と彼の母の異常な関係、態度は食事を食べる前からだったからなあ…。滝の裏の出来事のみ、薬とかで引き起こされたとかだろうか?気になる。

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金瓶梅43巻の発売予定は、今後の展開は?

ベルアラートの予想では金瓶梅、次巻43巻の発売は2019年11月20日頃。果たして今後はどうなるのか、目が離せないのである。

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