【漫画】モンキーピーク11巻【感想・ネタバレ・考察】相次ぐ死者と新キャラ、田畑~そして岩砕山頂上で待ち受けていたのは…

モンキーピーク11表紙

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生き残った社員達は長谷川部長と彼を信じる主人公早乙女・宮田・林・佐藤と、長谷川部長を猿の仲間だと考える安斎・氷室と仲間割れを起こす。安斎は早乙女・宮田に暴行した上、物資を奪って氷室とともに先に岩砕山山頂へ行ってしまう。そして、早乙女達は怒りに燃えながら彼らを追いかける。

先行していた安斎と氷室は警察の救助隊に出会うが一連の行動からテロリストと見なされてしまう。精神的に追い詰められていた安斎は救助隊員を皆殺しにし、罪を長谷川部長に被せ、社員達を皆殺しにしようと企む。

後を追っていた早乙女達は、救助隊員の死体とトランシーバーを発見する。トランシーバーを通して警察と連絡することができた早乙女達はその場に待機するように指示された。しかし、そこで早乙女・宮田・佐藤の三人は林と長谷川部長から『自分達は猿の仲間だ』と告白され、動揺する。林から遅効性の毒入りのチョコを食べさせられた三人は、『藤谷製薬の薬害事件を隠蔽した安斎への復讐に付き合えば、毒の種類を教える』と言われ、山頂へ向かって安斎達を追いかけることとなった。しかし、追いかけ岩場を登る早乙女達に安斎、氷室は鎖と石で攻撃を仕掛ける。その中で宮田は滑落してしまい…。

登場人物紹介はこちら
→モンキーピーク、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

前巻の記事はこちら→【漫画】モンキーピーク10巻【感想・ネタバレ・考察】衝撃の真実が次々明かされ、急展開を迎える~罪を犯す安斎、本性を現す林、そして慟哭する早乙女…

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Contents

あらすじ・ネタバレ

第101話 9合目①~宮田の死、そして安斎に刺されてしまう長谷川部長

呆然と崖下を見つめる早乙女。上にいた佐藤も『ウソ?宮田死んじゃったの!?』と叫ぶ。宮田の落下という現実を信じられない早乙女。しかし、霧が晴れると、崖下に血塗れになった宮田の姿が現れた。早乙女に宮田がどうなっているのか尋ねる佐藤。しかし、黙って涙を流しながら崖下を見つめ続ける早乙女の様子から全てを察するのであった。

一方、宮田に石をぶつけ落した氷室は笑い声をあげて『やったー』と喜んでいた。

「宮田のヤロウ前から気にくわなかったんだ」
「チャラチャラして女にモテそうな顔しやがって」
「ザマーミロ!!見たか俺の見事な投石!!」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 11/211

そう言う氷室を泣きながら睨みつける早乙女。『ぶっ殺してやる』と叫ぶ早乙女に氷室は『元ヤンが怒った』とバカにして笑う。そんな氷室に安斎は『連中を近づけないという自分の役目を忘れるな』と釘を刺す。そして、安斎は再び下にいる長谷川部長に鎖を打ち付けるのであった。

安斎の鎖攻撃に手も足も出ない長谷川部長。下にいる林と目を合わせる。

この鎖をなんとかしないと安斎にやられる

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 15/211

安斎が再び鎖を振り下ろそうとした刹那、長谷川部長は走り出し、安斎に近づく。そして、再び鎖を打ち付けられるも、その鎖を両手で強くつかみ、『捕まえた』と言うのであった。『それは自分のセリフだ』と笑う安斎。そして安斎は長谷川部長を手繰り寄せるのであった。

下からそれを見ていた佐藤は安斎の狙いが分からず困惑する。それは長谷川部長も同じだった。『殺すのではなく捕まえるのが目的なのか?』と疑問に思う長谷川部長。しかし、長谷川部長も安斎に近づきたいのでそのまま寄せられていき、そして、

「死ねぇえええ」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 21/211

長谷川部長はズボンのポケットからナイフを取り出し、安斎の腹部に突き刺すのであった。

しかし、安斎は鎖を使ってナイフを防ぐ。ナイフは鎖の隙間に挟まってしまっていた。『まさかもう一本ナイフを持っていたとは』と笑う安斎。そして長谷川部長の顔面を殴りつけた。

『部長』と叫び、助けるため登ろうとした早乙女の胸に石があたる。『お前の相手は俺だ』とはしゃいだように言う氷室。早乙女、林、佐藤は進むことが出来ない。

安斎に殴られ、岩場に伏してしまった長谷川部長。『どういうつもりだ、私を捕まえたつもりか』と問う長谷川部長に安斎はこう言うのであった。

「あなたに用は無い」
「あなたの”右手”を頂く」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 25/211

そして、安斎は長谷川部長の腹部をナイフで刺すのであった。

第102話 9合目②~安斎に右腕を切り取られた長谷川部長…そこに現れたのは日本刀の男、トオルと”真の猿”

安斎に腹部を刺された長谷川部長。安斎は『欲しいのは右腕だ』と言う。全ての罪を長谷川部長に被せるため、長谷川部長の指紋が欲しいのだ。

下からその様子を見ていた早乙女。長谷川部長には騙され続けたものの、『お前は人から信頼される男だ』と言ってもらったときのことを思い出し、助けるために鎖を掴み崖を登ろうとする。しかし、氷室は執拗に早乙女に投石を繰り返し、早乙女は苦戦する。

刺された長谷川部長は安斎から鎖を奪おうとするが、安斎は『鎖も大事だが、こちらの方が優先順位が高い』と長谷川部長の右腕をナイフで切り落そうとする。ナイフで右腕を刻まれる長谷川部長は苦悶の表情を浮かべながら思い出すのであった。

…病室に駆け付けた長谷川部長。そこには挿管され横たわる少年と寄り添う中年の女性の姿があった。『美紀子』と、その女性に事情を問う長谷川部長。美紀子は『和人はこのまま回復しないかもしてないと先生が言っている』と涙ぐむ。『これもオルフィジンの副作用だと言うのか!?』と叫ぶ長谷川部長。そして『行人は!?』と美紀子に問うも、泣きながら首を振られてしまうのであった…。

その光景を思い出し涙を流す長谷川部長。安斎は切り取った長谷川部長の右手をみて、これでいいだろうと言う。その様子を見ていた佐藤は震え、林は愕然とする。

しかし、突然長谷川部長は笑い出す。何がおかしいと問う安斎に『お前はこの山で死ぬ』と宣言する長谷川部長。

「私にはまだ仲間がいる」
「薬害の報いは…必ず…っ」
「最後の勝利は我々のものだ!!」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 37/211

『薬害』という言葉に驚く安斎。そんな安斎を呼ぶ氷室。その時だった。

上から”真の猿”と共に日本刀の男、トオルが氷室の背後に迫っていた。そして振り向いた氷室をトオルは切りつけ、氷室は悲鳴を上げながら崖を転がり落ちていく。

呆然とその様子を見つめる一同。猿は『ギイアアア』と恐ろしい咆哮を上げ、トオルと共に氷室の落ちた方向へと下っていく。

『場所が悪い』そう判断した安斎は長谷川部長に掴まれた鎖を諦め手放し、長谷川部長の右腕だけ持って逃げ去る。トオルは一瞬安斎の方を見るも、すぐに氷室の方に向かった。”左の太ももに巻かれた布”を指さし、氷室はトオルに『俺は猿の仲間だ』と命乞いする。すると、トオルは氷室の左の太ももに巻かれた布を取り去り、投げ捨てる。絶望し、悲鳴を上げる氷室。するとその瞬間、”真の猿”がよだれを垂らしながら氷室に迫るのであった。

第103話 9合目③~トオルは”真の猿”を早乙女と佐藤にけしかける…すると長谷川部長は意外な行動に出る

猿の仲間であると言う目印、左足のももに巻いた布をトオルにはぎ取られ、”真の猿”に襲われる氷室。断末魔の悲鳴を上げる中、”真の猿”に喉笛を食いちぎられ、絶命した。

一方、そんな”真の猿”を後目にトオルは右腕を切り取られた長谷川部長に近づいた。

「ざまぁねぇな」
「生ぬるいやり方してっからこんな事になるんだよ」
「あーあ、あんた死ぬぜ」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 50-51/211

そうフードを脱ぎながら長谷川部長に言うトオル。若く派手な髪型をし、口元にピアスをした日に焼けた男性である。『残る優先ターゲットは安斎だけで、自分が直接手を下すから安心して死にな』と長谷川部長に告げる。そして、”真の猿”に『俺は安斎を追う』と言い、『残りの連中を頼む』早乙女と佐藤を指す。

『これ以上は…』と慌てて制止する長谷川部長。しかし、トオルは笑いながら言う。

「この山にいる人間は全員殺す!!」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 53/211

そして、出血に苦しむ長谷川部長を置いて、安斎の後を追いかけていくのであった。

早乙女と佐藤の方へ行こうとする”真の猿”に『やめろ』という長谷川部長だが、”真の猿”はそれを無視する。『逃げろ』と早乙女と佐藤に向かって叫ぶ長谷川部長。しかし、”真の猿”は凄まじい勢いで早乙女に飛び掛かる。早乙女の投石が”真の猿”の額にぶつかるものの、”真の猿”は全く怯むことなく早乙女に掴みかかり、共に崖を滑り落ちていく。その様子に泣きながら早乙女の名を叫ぶ佐藤。早乙女はなんとか滑落せずに踏みとどまるも、”真の猿”は再び早乙女を捉え、岩肌に叩きつけて雄たけびを上げる。

何もできずにその様子を見ていた長谷川部長だったが、側に先ほど安斎に防がれたナイフが落ちているのを見つける。

岩肌に叩きつけられた衝撃で起き上がれない早乙女に”真の猿”が迫る。『ダメだ、殺られる』と早乙女が思ったその時、右腕を失った長谷川部長が猿に飛びかかり、左手に握ったナイフで猿の首元を刺すのであった。

第104話 長谷川~”真の猿”と戦う長谷川部長と早乙女、そして林…長谷川部長は命を落とす

”真の猿”から早乙女を助けるため、右腕を失っているにも関わらずナイフ一丁で立ち向かい”真の猿”にしがみついた長谷川部長。しかし、”真の猿”に振り回されてしまう。立ち上がろうとするも受けたダメージが大きく動けない早乙女。すると、林が必死の形相で長谷川部長達の元に滑るようにして降りていく。一方、早乙女は動けないながらもある策を思いつき、上着を脱ぎはじめた。

長谷川部長は”真の猿”に引き剥がされ岩場に叩きつけられた末、腹部を噛みつかれ絶叫する。しかし、自身の腹に食らいつく”真の猿”の左目にナイフを突き刺した。凄まじい叫び声を上げた”真の猿”は長谷川部長から離れ、きびすを返して逃げようとした。すると、その瞬間、”真の猿”の背後に近づいていた早乙女が上着に包んだ岩石を、振り向いた”真の猿”の顔面に叩き込んだ。

勢いで”真の猿”と共に滑り落ちていく早乙女。『これなら効いただろ』と息を切らしながら言う。しかし、”真の猿”は平然と立ち上がり、早乙女は”真の猿”の頑健さに呆然とする。

その刹那、林が”真の猿”に抱き着くようにして体当たりを食らわせた。”真の猿”とともに崖下に落ちそうになる林。早乙女が『林さん!』と叫び手を伸ばした。

間一髪、早乙女の手を取った林はなんとか踏みとどまる。一方、”真の猿”はけたたましい絶叫を残して崖下に落ちて行き、姿を消した。

それを確認した林は、息を切らし、よろけながら、血塗れで横たわる長谷川部長に近寄る。何か言いたそうだが、最早声を出せない状態の長谷川部長に『しっかりして』と呼びかける林。すると長谷川部長は最期に力を振り絞って言った。

「い…き……ろ」

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そのまま事切れてしまった長谷川部長。林はその遺体に縋り付き、泣き叫ぶのであった。

「お父さぁぁぁぁあん!!」

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第105話 巻道〜実は父と娘であった長谷川と林

喫茶店で会話をする長谷川部長と林。自分の勤める会社、藤谷製薬の出した薬、オルフィジンが薬害を出していたことを知らず、そして息子二人がその犠牲者になった事実に打ちひしがれる長谷川部長。そして長谷川部長を『お父さん』と呼ぶ林は、『自分は人事で薬について詳しいことは分からない』という長谷川部長に言うのであった。

「じゃあ一緒に証拠を探そうよ」
「お父さん人事でしょ?」
「私を藤谷製薬に入れて!!」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 91/211

『自身が長谷川部長の娘で、薬害の証拠探しのためコネ入社した』と早乙女と佐藤に明かした林。名字が違うのは長谷川部長と母が離婚し、弟達とともに母親に引き取られたからだと語る。『周囲にバレない様に部長と呼ぶようにしていたけど、もっとお父さんと呼んであげればよかった』と涙を流す。しかし、長谷川部長の遺体に『残るのは安斎だけ、後は私達に任せて』と言い、立ち上がった。

『安斎を追わなきゃ』『行こう』と林は早乙女と佐藤を急かす。そんな林に『何故俺を助けた』と問う早乙女。社員は皆殺しではないのかと。
すると林は『猿を止めるため』だと答える。父親である長谷川部長は無関係な一般の人達は殺してはならないと言っていた。しかし、それに対してトオルは『そんなの関係ない、殺しまくろう』と主張していたのだと言う。『関係のない人まで殺したら世論が敵に回り私達が悪党になってしまう』…それを林は恐れているのだ。

「猿とトオルには退場してもらう」
「必要なら戦う」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 96/211

そう荒んだ眼で言い切る林に早乙女は『もういいだろ!』と叫ぶ。『まだ人を殺すのか』と早乙女は林を止めようとする。しかし、林は『議論する気はない』『協力しなければ毒の名前は教えない』と答える。そして早乙女に対して『早乙女君は猿に恨まれている、あなたに戦う気がなくても向こうは許してくれない』と言った。”真の猿”は死んだのでは?という佐藤に林は『あのくらいで死ぬわけがない』と言うのであった。

「必ず…また来る」
「私達を殺しに!!」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 97/211

一方、先を進んでいた安斎は分かれ道に差し掛かる。『山頂』『巻き道』『三ツ倉口』という三つの矢印を見て考える。『山頂を登らないで別ルートで反対側に下りることが出来る』『山頂に行かず一気に下山するか?』…氷室も長谷川も死んだ今、警察と合流しても正当性を十分に主張できると考え、『巻き道』『三ツ倉口』の方向に進む。『助かる』と喜びながら。

しかし、少し先に進んだ安斎は渇いた笑いを上げ、座り込んだ。下りのルート『三ツ倉口』へ行くためのハシゴが落とされ下れなくなっていたのだ。

「逃げ道は塞がれているワケだ」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 103/211

安斎はただ笑い続けるのであった。

そして、林の後を着いて歩く早乙女と佐藤。早乙女は長谷川部長が持っていた鎖を持って歩いていた。前を行く林の背中を見ながら佐藤が早乙女に言った。『そういえば猿の数を確認していない』『この山に猿はもういないのだろうか』と。その言葉を聞いてハッとする早乙女。

『三ツ倉口』の前で座り込んでいた安斎も、ふと『ハシゴが落とされているが、さっき遭遇した警官たちはどうやって登ってきたのか』と疑問を持つ。そして『このハシゴは警官たちが登った後に落とされた…つまり、つい最近落とされたのだ』と気付く。

この山にはまだ他の猿がいる

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第106話 石室〜突如現れた一般登山客の田畑…その正体は?

猿はどこに潜んでいるのか…そう辺りを見渡す安斎。すると上に山小屋があった。

そして、林の後をついて岩砕山を上っていく早乙女と佐藤。苦しそうにする早乙女に佐藤が『毒か?』と尋ねるが、疲労にケガと、早乙女は『思い当たる節が多くて分からない』と返す。

佐藤は林に『猿は…あなたの仲間はあとどれくらいいるのか』と尋ねる。しかし、林は『トランシーバーを持っている佐藤に情報を提供できない』と冷たく答える。すると佐藤は『では、安斎だけでなく、氷室も必ず殺すと言っていたのは何で?』と林に質問した。『営業として優秀だったから』と返した林。氷室は薬に不純物が混ざっていると噂で聞いたときに『今のうちに売れるだけ売っておこう』と営業に力を入れ、その功績で営業部長に登り詰めたのだ。

『私達は計画当初から社員をクラス分けしていた』『氷室と安斎はAクラス、絶対に殺すべき対象だ』と語る林。そんな林に佐藤は『自分達のクラスは?』と尋ねるも、林は荒んだ目で『知る必要はない』と吐き捨て、それ以上何も言わないのであった。

その頃、先ほど見つけた小さな小屋までやってきま安斎。開けた痕跡のある、その小屋に警戒しながら踏み込んだ安斎は一人分の寝袋や食事の跡を見つけ、“真の猿”とトオルが居たのだろうと推測する。

一方、林、早乙女、佐藤は『山頂』『巻き道』『三ツ倉口』の看板がある場所までやって来た。『あれが岩砕』と山頂を見つめる早乙女。佐藤は林にどう進むのか尋ねる。しかし、林は何か見つけたらしく立ち止まる。

少し離れた場所から『おーい』と叫び手を振る人物がいたのだ。『人…!?』と驚く佐藤。林にあれは誰かと尋ねるが、林は黙って睨むだけで答えようとしない。早乙女も鎖を握り構える。しかし、

「よかったぁ人だっ!!助かった~っ」
「あ~怖かった…死ぬかと思ったよぉ」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 124/211

近付いてきた若い男性はそう言って泣きながら林の手を取る。そして、林が警戒心剥き出しであることに気付き慌てて手を離し謝罪する。佐藤が『あんた誰?』と尋ねると半泣きになりながら名乗る。

「しっ…失礼しました。俺っ、田畑っていいます」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 125/211

大学生だという田畑は昨日の朝、三ツ倉の方から登り、山頂下の石室に一泊し、今朝、岩砕山の山頂に行ったのだが、そこに警察の人が来て下山して三ツ倉口へ帰れと言われたのだという。そのため、石室に一度戻り昼まで寝ていたところ、凄い音がして目覚め、外に出ると、猿の姿があったのだという。それに恐怖した田畑。しかし、三ツ倉口に降りようとしたところ、梯子が壊されて降りれず、仕方がなくこちらに来たのだという。

(安斎が見つけた小屋…石室に直前までいたのはトオル達ではなく、田畑。凄い音というのは三ツ倉口のハシゴを落とす音だと思われる)

どうしたらいいか途方に暮れ、また猿に恐怖しているためか再びベソをかく田畑。早乙女と佐藤は目配せし合う。

この男…信用出来るのか?

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第107話 田畑①~山に閉じ込められた早乙女達、そして山頂には猿が待ち受けている!?

自分が見掛けた猿の恐ろしさを語る田畑。三ツ倉口方面のハシゴが落とされたという田畑の話から『私達はこの山に閉じ込められたのか』と絶望する佐藤に、田畑は『ロープウェイ駅方面に降りれば良いのでは』と言うが、林が『ロープウェイ駅方面のハシゴも落とされている』と言うと頭を抱えて崩れ落ちる。佐藤も早乙女も『下山はできないのか』と絶望するのであった。しかし、林が『助かる方法はある』と冷たく笑う。

「ヘリで救助に来てもらえばいい」
「元々そうするしか道はないの。4時間で三ツ倉口まで下りるのは無理だから」
「私が佐藤さんのトランシーバーを取り上げないのはそのためよ。救助を要請するのに必要だから」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 134/211

トランシーバーがあると聞いて歓喜する田畑。しかし、早乙女達の発する異様な雰囲気と会話から『皆さん、何かありました?』と尋ねる。『説明の前に水をもらえるか』と言う佐藤。田畑は水を持っており、早乙女は『毒が入っていたとしても、これ以上は大差ない』と言って水をもらい飲む。そして、田畑が羊羮も差し出してくれたことに佐藤は驚くのであった。

「えぇ~っ、あ…あなた達っ藤谷製薬の社員さん達なんですか!?」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 137/211

田畑に今までの事情を説明した早乙女と佐藤。驚愕した様子の田畑に佐藤が『何かニュースになってます?』と尋ねると田畑は衝撃的なことを言う。

「前の社長さんとか役員の人とか、確か…5人とか殺されてます」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 138/211

それを聞いて驚く早乙女。しかし、佐藤は冷静に『直接の責任者である前の社長達を猿達が許すはずがない』と納得する。そして、『社長や役員を殺した別動隊が後からこの山にやってきたから、どんどん猿…林たちの仲間が増えていったのか』と推測した。しかし、林は佐藤の言葉を無視し、何も言おうとはしない。更に田畑が『藤谷製薬の社員達が行方不明と一昨日位から報じられている』と語る。

そのとき、ヘリが早乙女達の頭上に現れた。田畑はヘリに喜び、手を振る。しかし、ヘリはすぐに行ってしまった。再び泣き出す田畑。『着陸できないのか』と気付き項垂れる早乙女。『着陸するとしてもこの辺はムリでロープを下ろすとしても山頂じゃないとダメ』と語る林。しかし、ヘリは山頂に向かう様子もなく去ってしまった。

『山頂に何かあるのではないか』そう発言する早乙女。猿がいるから着陸できないのではないかと。

一方その頃、安斎も山頂に止まる様子を見せないヘリを見て、早乙女と同じく『山頂に猿がいる』と結論付ける。そして、笑うのであった。

岩砕山、別名”猿投山”―やるしかないな、猿退治!!

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『登ろう』と言う早乙女。しかし、田畑は『山頂に何かいるんでしょう?』と怯える。そんな田畑に林は『私達と一緒に来るか、一人でここに残るか選んでください』と迫る。早乙女は田畑に言うのであった。

「時間が無ぇんだ。俺は行くぜ」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 148/211

第108話 田畑②~早乙女達の話を聞き、驚愕する田畑…そして上では安斎とトオルが戦う

息を切らしながら岩砕山の頂上を目指す早乙女達。結局ついてきた田畑に早乙女は山頂までどれくらい掛かるのか尋ねる。田畑が30分ぐらいだと答えると『30分か…』と歯を食いしばる。『私たちはあとどれくらいで死ぬのか』と林に尋ねる佐藤。佐藤は『個人差もあるが、あと1時間くらいだろう』と冷たく応える。

早乙女達から一連の話を聞いたものの、俄かに信じられない田畑。『林の様な可愛い人が毒を盛るなんて…』と言う田畑に、佐藤は『あんたもいつ毒を盛られるか分からないよ』と怖がらせる。怯える田畑に『変な動きはしない様に』と釘をさす林。更に佐藤も『自分も色々あり過ぎて人を信用できなくなっている…分かってもらえますよね?』と凄む。竦み上がった田畑は『何もしないから一人にしないでくれ』と縋るのであった。

そんな会話を聞きながら、”死”が近付いているのを感じる早乙女。林が前に早乙女に言ってくれた『あなたが生き残った事には意味がある』という言葉を思い出し、父親に思いを馳せる。『オヤジは生きる意味を教えたくてこの山に連れてきたのか』と思う早乙女。

この山頂に立てばそれが見えるって言うのか…?ならば…歩け!!もう一歩…足を出せ!!山頂は…すぐそこだ!!

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 155/211

そうしてボロボロの体を奮い立たせるのであった。

一方、その頃先を行く安斎もまた、山頂を目指していた。山頂には猿とその仲間がいる、そして待ち伏せもありうると警戒する。そして石自体がもろいのか細かな岩が多いことに気付く安斎。投石の玉には困らないが『私に投げられるのか』と考える。ノコ身渡で猿への投石を外したことをまだ引きずっていたのだ。

その時、背後から日本刀の男、トオルがやってきた。このままでは上下から挟み撃ちにされると考えた安斎は、逃げずにトオルを待ち、戦うことを選んだ。『待っててくれたのか』と笑うトオルに安斎は『直接殺るのが一番だ』と言い、トオルも同感だと笑う。そして、安斎が『お前も被害者の会か』と問うとトオルは日本刀を突き付けて答えた。

「妹の仇」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 163/211

そう言うとトオルは日本刀を構え、呼吸を整えると安斎に斬りかかるのであった。

右手に石を持っている安斎。しかし、『今の自分はこの距離でも外すかもしれない』と思っていた。だからこそ、安斎はあえて石を下に強く叩きつけた。脆い岩石はその衝撃で細かく砕け、トオルの体に当たるのであった。

第109話 トオル~妹、あんじゅの仇を討つため安斎を殺そうとするトオルであったが…

石を食らい動きが止まるトオル。その瞬間、安斎は屈み構える。

安斎がこの場に留まりトオルと戦うことを選んだのには理由があった。一つは『狭さ』。そしてもう一つは『しっかりした足場』だ。

188cm107㎏プラス100m12秒03の脚力、逃げ場は無い、喰らえっ筋肉の弾丸!!

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 171-172/211

トオルが振り下ろした刀を避け、アメフトで鍛えたタックルをかました安斎。トオルは吹っ飛び岩場に体を打ち付け、白目を向いて動かなくなった。

しかし、トオルの脳裏に『勘弁してよ』という妹の声がよみがえる。悪さばかり繰り返す兄、トオルを憎しみ、『なんでこんなのがアニキなんだよ』『死んでよ』とまで言ってきた妹のあんじゅ。それでも、トオルにとっては大事な妹だった。

意識を取り戻したトオル。安斎が岩石を片手に頭上に立ち止めを刺そうとしていた。しかし、『バカが』と笑うトオルは隠し持っていた拳銃で安斎の左手の平を撃ち抜くのであった。

「”奥の手”っつーのは隠しとくもんだぜっ」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 179/211

そう言って体勢を立て直すトオル。安斎は呻き、這いずる様にしてトオルから逃げようとする。

そんな安斎の背中に『薬害を隠蔽したのはてめえだって話じゃねーか』と怒りをぶつけるトオル。そして、『俺はろくでなしのクソ兄貴だったけど、今仇を取ってやる』と日本刀を振り上げた。

だが、その瞬間銃声が鳴り響き、トオルは後ろに倒れる。事態が飲み込めないトオル。胸から血が流れている。

「お前の言う通り、奥の手は隠しておかんとな」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 182/211

這いずる様に見せかけて、股の間から銃を撃った安斎。そのまま、トオルの胸部に続けて2発発砲した。

虫の息となったトオルだったが、『やっちまったな』と安斎を嗤う。

「ヤツ…は俺の言うことしか聞か…ない…これで…」
「誰もヤツを止められない」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 183-184/211

トオルの言葉に唖然として何も言えない安斎。するとトオルは『ごめんな、あんじゅ、ダメなアニキで』と言い、絶命するのであった。

一方、下方で山頂を目指し進む早乙女達。聞こえた銃声に林は『どこから?』と当たりを見回す。そしてふらつく早乙女を佐藤が励ます。安斎に傷付けられた左足から出血していた早乙女。その血痕は点々と、目印の様に続いていた。そして、更に下方、看板のところでその血の跡を見つめる”真の猿”の姿があった。

第110話 山頂①~そこに待っていた者は…

トオルの持っていた銃を奪った安斎。弾は3発残っており、左手に大きなダメージは受けたものの問題ないと自分に言い聞かせる。そして、『山頂に何が居ようとまだまだ戦える』と笑うのであった。

一方、その下方、同じく山頂を目指す早乙女達。早乙女は安斎に傷付けられた左足の出血が止まらず、体も重く感じ息も苦しくなる。前に中々進めない。しかし、自分を鼓舞し続ける。田畑は『このハシゴを登れば頂上です』と早乙女を励ます。ハシゴに手を掛ける早乙女。すると、父と岩砕山を登った時のことが思い出される。

高校生だった早乙女はハシゴを登りながら先を行く父に言った。『本当は自分がユージを殺した話とかを聞き出すために山奥に連れて来たのかと思ったのに、何も聞かないのか』と。『本当に山を登るだけかよ』と言う早乙女に父はそれでいいじゃないかと答える。

「登れ、稜」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 198/211

その父の言葉を思い出し、力を振り絞る早乙女。そして、ついに山頂に到着するのであった。その景色と父の思い出に涙を流し崩れ落ちる早乙女。

「早乙女…やったな。まだ生きてるよ…私達」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 205/211

そう言って笑う佐藤に早乙女は涙を拭いながら返事をするのであった。

しかし、その時田畑が悲鳴を上げて尻もちをつく。『うそでしょ』と青ざめる佐藤。

岩陰から現れたのは火縄銃を構えた猿であった。

すると林が田畑の前に出て『この人は藤谷製薬の社員じゃないから殺しちゃダメ』と叫ぶ。そして、『ここにいる人達は殺さなくて大丈夫』とも猿に言う。

しかし、早乙女は火縄銃の猿がナタも持っていることに気付き、叫ぶ。

「あの猿だっ」
「こいつ…っ、ナタで殺しまくった…最初の猿だ!!」

モンキーピーク11巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 208/211

そして、そう叫んだ早乙女に、猿は火縄銃を向けたのであった

以下、感想と考察

日本刀の男、トオルの正体

もっとフードの下は格好いいと思ってた…。というのは置いておいて、あっさりと退場したのが衝撃的。今まで散々引っ張ってきたのだから、もう少し、絡んでくると思ったのだが、安斎に負けて死亡してしまった。しかし、安斎の『喰らえ、筋肉の弾丸』がジワジワ来る。やはり最後に頼れるものは肉体言語なのか…。

父と娘の関係だった長谷川と林

長谷川部長と林が黒幕だろうと言うのはかなり前の段階から予想はしていたけど、父と娘だとは思わなかったな…。似てねーし。長谷川部長の動機はなんだろうと思ったけれども、林と同じだったということだ分かる。最期に早乙女達を助けようとして死んだ、長谷川部長。藤谷製薬の社員は無駄に殺しすぎだと思うけれども、最期にそういうことをしたことで、早乙女にとっては『憎めない人』になってしまうのだろうな。それにしても、右腕を切り落とされたうえに、猿に噛まれて死亡…というのは中々壮絶でゾッとする。まあ、氷室は相応しい最期を迎えたと思うけれども。

新キャラ田畑の正体は?

ここに来て新キャラとして突如登場した田畑君。『狂言回し』『人間味担当』と言えた宮田の代役なのかなという感じもしなくないが、本当にただの一般登山客なのか疑ってしまうところ。今のところ、そんなに怪しいところはないが、これからの動向が気になるところである。

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モンキーピーク12巻、発売日と今後の展開は?結末・ラストが近づく?

モンキーピーク12巻の発売日は、2019年10月頃とのこと。

この11巻だけでも、首謀者の長谷川部長、日本刀の男トオル、氷室等ストーリーに大きく関わっている人物が死亡した。そして、早乙女達は岩砕山の頂上までやってきた。結末・ラストは近いだろう。先が気になって仕方がない。

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