【漫画】それでも親子でいなきゃいけないの?【感想・ネタバレ】母がしんどい…のその後。毒親持ち達の体験談から考える

それでも親子でいなきゃいけないの?表紙

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いわゆる『毒親』や家族関係に苦しむ人たちのバイブルとなった『母がしんどい』の作者、田房永子氏。彼女はその後も毒親、家族関係、母親…そういったものに焦点を当てたエッセイ漫画を描き続けている。今回の『それでも親子でいなきゃいけないの?』は、そんな田房永子氏が家庭環境や親子関係で苦しんできた人の様々な話を聞いて、改めて自身の体験や考えをまとめたエッセイ漫画である。

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それでも親子でいなきゃいけないの?

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Contents

あらすじ

漫画家の田房永子(エイコ)の両親はいわゆる『毒親』だった。エイコは表面的には普通だが、何かと抑圧・支配してくる両親と決別したことがある(その経緯は『母がしんどい』で詳しく描かれている)。しかしその後もエイコは、自身が親不孝者なのではないかという自己嫌悪に陥ったり、健全な親子関係を築き、親に振り回されることのない人生を送る人達を羨ましく思ったりと複雑な思いを抱いていた。
そんなエイコは自分と同じ『毒親』や異常な家庭環境に苦しんだ人と対話し、体験談を聞き、改めて自身の体験や考えをまとめていく。
「それでも親子でいなきゃいけないの?」と。

強烈な毒親、異常な家庭のエピソードのネタバレ

エイコと編集者は作中、8人の女性と対話する。そのエピソードはどれも強烈だ。

1、祖母に支配される家庭…母親の髪型に込められた闇

31歳の福祉事務員のアイコさんの家庭。アイコさんの家は祖母、母、婿養子の父、兄との5人で暮らしていたが、祖母が絶大な権力を握っており、母はそんな祖母のいいなり内気な母は自分一人では何もできずアイコさんの学校の先生と話すのですら、祖母に台本を書いてもらっていたという。
アイコさんへ説教するのも横で祖母が囁いた言葉をそのままオウム返しにして言うだけ(船場吉兆のささやき女将のようだ)。
他にも、生理周期を管理される一方、ブラジャーを買ってもらない(エイコいわく毒親あるある)、何故か食卓には父親のイスは無く、父だけ立ち食いを強いられている…アイコさんはそんな祖母中心の家庭が異常であることに気付いていく。
紆余曲折あったものの、なんとか自立したアイコさんは今、結婚したものの、夫と自身の家族を未だに会わせていないという。

両親を呼ばずに結婚式を挙げたことで、友人や夫の親族から責められることもあるが、自身の家族を呼ぶと絶対にとんでもないことになるから…と耐えているというアイコさん。
ちなみに作中、アイコさんの母親の髪型はとぐろを巻いたうんこ…蛇のような描き方をされているが、これは床に引きずるほど長い髪を三つ編みにして、頭に巻いているのだ言う。母は、昔祖母に髪を切られたことがトラウマになって切ることが出来ないのだという。エイコは母親の色々な何かがその髪に詰まっているのだろう…と想いを馳せるのであった。

2、娘が幸せになるのが許せない母…いい思いをしちゃいけないの?

26歳の医療系の職に就いているK子さんの母は『自分かわいそうアピール』がすごいという。父にずっと無視されていた母はK子さんが15歳の時に家出。その後、家には父の姉が住み着いたため、姉とK子さんも母の元で暮らすようになった。
元々笑うことが少ない母だったが、新しい家で自身の親の介護で疲れていたためか、K子さんが少しでもだらけると「私はこんなにやってるのに!!!」と激昂するようになる。そして新しい服を買うだけで「あんたばかりいい思いをして!!」と嘆き叫ぶ。ことあるごとに「あんたばっかりっ!!」と妬む様になっていったという。
しかし家事や介護等を手伝おうとすると拒否。 プレゼント等を送ってもネガティブにおしゃれが苦手だから…というばかりで喜んでくれない。K子さんが謝る時だけ、気持ちよさそうに『辛いけど強く生きてます』みたいな恍惚とした表情を浮かべるという(K子さんいわく、謝罪会見時の、のりPみたいな表情)。恐らく現状に不満を抱くと同時に自己犠牲の状況が気持ち良くなっていってしまったのだ。

ある日、K子さんがそんな母に彼氏が出来たことを報告すると、母は裏切り者!!とK子さんを罵り、殴った。母親である自分が大事ならば彼氏なんて作らないはずだと主張する。K子さんはこれを機にカウンセリングに通うようになって、母親とは別の人生を歩もうと決意したのであった。

3、母国に強制送還するぞ!!が脅し文句の母親

25歳主婦のエスさんの母親は外国人。母は帰化しておらず、エスさんにも日本国籍が無いため、母を怒らせるたびに、「母国に強制送還するぞ!!」と脅され続けてきた。エスさんは日本以外で暮らしたことがない上、実際に兄が母に強制送還されているため、恐怖から逆らえなかった。
母親が会社経営をしていて金銭的には恵まれてはいたが、構ってもらえることはなく孤独な幼少時代を過ごしたエスさん。仲良くなった家政婦さんが辞めて寂しくて泣くと母親から殴られる(エイコいわく感情操作の一種)

そんなエスさんは、母が若い男を家に連れ込む様になったことをきっかけにグレて学校に行かなくなった。母に何故学校に行かないのか、何が気に食わないのかと問い質され、正直に気持ち(一緒に住み始めた若い男が嫌等)を吐露するも、「私が衣食住の面倒を見てやっているのだから文句言われる筋合いはない」と返されてしまう。その後、素行不良で学校に呼び出されると、担任の前にもかかわらずエスさんをボコボコに殴る母親(担任は自業自得と言って止めない)。自身の身を守るためキックボクシングで心身を鍛える等したが、いざ母親を前にすると恐怖で体が固まってしまうという。

そんなエスさんの目標は帰化すること。しかし、母親はエスさんが帰化することに反対で、エスさんも母親から「お前はどーせダメだ」と刷り込まれ続けたため自信が無いという。エイコと編集者は彼女に、そんな呪いの様な言葉を忘れるよう、自分を信じるように励ましの言葉を掛けるのであった。

4、母親のごはんを食べられない女性

29歳自営業の依子さんの母親は変わった思考の持ち主で、幼少期から何故か依子さんに同性の友人を作ることを禁止し、依子さんが遊び半分で出会い系で知り合った男性に会おうとすると喜ぶ。些細なことがきっかけで隣家に向けてお札やお面を貼りだすといった嫌がらせをする。
そんな依子さんを一番悩ませたのは食事。太めの母は痩せ型の依子さんに食べて太るように強いるも、いつもごはんには母の髪の毛が入っていた。思春期になるにつれて依子さん自身も情緒不安定になっていき、そんな母親の料理を食べられなくなり、常に食べ物のことで頭を悩ませるようになった。

そして大学生になり快適な一人暮らしを始めた依子さんには彼氏が出来る。しかし、この彼氏がまた糞で、依子さんに金をせびり、DVを働くようになる。ある日、そんな彼氏を気に入っている母親に、DVのことを打ち明けた依子さん。すると母親は「それはあんたが悪いからでしょ」と一蹴する。その様子はどこか、自分以外にも依子さんに酷いことをする人間がいることに安心しているように見えた。
それを機に、依子さんは母親と心理的に距離を置くようになったという。母の電話も適当に相槌を打って流している。普通のお菓子などが送られてきても、一か月程、外気に晒さないと食べられないという。毒素が抜けるのに時間が掛かるのか…と話を聞いたエイコは納得するのであった。エイコはそれまでの関係性が物に反映されるのだと分析する。

5、最凶ぶりっこ母!!アーティスト増田ぴろよの話

次の話はなんと、増田ぴろよ氏の体験談である。強烈なぶりっ子だったぴろよの母親(STAP細胞の小保方氏に似ているらしい)はとにかく同性から嫌われる天才だった。にも関わらず、職業はなんと保育園の経営者。ぴろよの母は園児の母親達から憎まれており度々デモを起こされる。そして、女性保育士たちからも嫌われており、保育士達は母親とそっくりなぴろよをいじめるようになる。母親も同族嫌悪なのか自分に一番似ているぴろよの首を絞めたりしていた。ぴろよの家は祖父が市長を務める名家だったが、内実は昼ドラ並みにスキャンダルに塗れた機能不全家族であった。
高校生になり、ぴろよが美大に行くという夢を持ち始めると母親は断固反対。しかし、一方で外に向けてはぴろよの描いた絵を自慢したりもする。ぴろよは徐々に、そんな自分の母親、家庭が周囲と違っていておかしいということに気付いていった。

結局無事、美大に入学できたぴろよであったが、卒業制作の発表に来た母親がぴろよの作品を映すプロジェクターの電源を引っこ抜く等の騒動を起こしたりする。また、社会人になったぴろよが、色々なストレスからやせ細ってしまったときは、ぴろよの職場にいい母親アピールをしながら弁当を持ってくる。しかし、その弁当の中身はマイタケや海藻、こんにゃく煮ばかりのまさかのゼロカロリー弁当(エイコいわく、母の『愛』が娘の『身』にならないことを見事に象徴していると分析)。

その後ぴろよは一時母親と決別したものの、祖父絡みで裁判になっているので現在は味方として一緒に戦っているという。そして、 男性弁護士にもぶりっ子する母親は、ある日裁判中の控室で、緊張のあまり大便をもらしてしまったという。すると母はトイレから戻ってきて男性弁護士に、「てへ♡もらしちゃった♡」と、まさかのうんこ漏らしてテヘペロをやってのける。そんな突き抜けた母親にもはや笑うしかなくなった、ぴろよ。
なんと現在はアーティストとして、法事での一族の集合写真をプリントした『機能不全家族矯正ニーハイ』等、強烈な母や家族関係のトラウマを昇華する作品を意欲的に作っているのであった。

6、母親との関係で苦しむ女性たち~母と離れるとすげー健康になる

エイコは母親との関係に悩んでいる女性達と月に1回ほど集まって話す機会を設けている。今回は『母あるある特別座談会』と称して、3人の女性と対談するエイコ。
母親から腐っている食事を出され続けたという、しえらさん(38)。腐っている、臭いがおかしいと指摘すると、母親からお前の神経がおかしいと言われ、家族からはサンドバッグ扱いされ続けたという。

のぶこさん(40)は娘を産んで、自分母親とは違う、『100%子どもを愛する母になろう』と頑張りすぎた結果、理想と現実の違いやストレスから色んな病気になってしまったという。そんな時も、のぶこさんの母親はのぶこさんの娘(小2)にいきなり50万円のフルートを買い与え、フルート留学を提案したりして振り回してきたと言う。

つむぎさん(30)は20代の頃からメンタルクリニックに通い、母親が原因と気付いて距離を置くことに。しかし、父親が末期がんになったことを機に関係が復活してしまい、母親の攻撃(というか口撃)に精神的に参ってしまう。その後父が亡くなり、三回忌で実家に行く機会があったものの、母親と会うことを考えるだけで体の震えが止まらなくなってしまう。食事会で母が背後に立つと『殺す』ろいう言葉で頭がいっぱいになってしまう。

『料理(腐ってる)』『体調を崩す』『殺意』…等の『あるある』を書き出していくエイコ。しかし、一番のあるあるは『母と離れるとすごく健康になる』ということだと気づくのであった。

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様々な人との対話、生活を通してエイコが考えたこと

理解されない『毒親持ち』の苦悩や『絶縁』の切実さ・大切さ

70代のライフアドバイザーとのトークイベントに呼ばれたエイコ。テーマは『どうやって母から自立するか』。予定ではエイコは『親子だからといって一緒にいなきゃならないわけではない』という話をし、ライフアドバイザーは『母に困らされている娘のケース』を話してくれる予定であった。
しかし、ライフアドバイザーは開幕早々「母は娘を大きな愛で包んでいる」「親子の絆は絶対に切れません」と予定外のことを話し始める

エイコは困惑しつつも、自身の体験や「親を恨む気持ちを抑え込む必要はない、恨み切ってしまっていい」と語る。しかし、そこにライフアドバイザーは「大丈夫!母の愛は偉大だから!」と被せ、両者譲らずにチグハグナトークショーが続く。しまいにはライフアドバイザーは「今日は辛くて重たい話を聞かせてごめんなさい」と聴衆に謝罪するのであった(普通に企画ミス。事故レベルだろう)。

確かに『恨み』『絶縁』という言葉はマイナスイメージが強すぎたかもしれない…と反省するエイコ。しかし、『絶縁』はマイナスなものではない。エイコは離れることで恨みを出し切り、今では母の良いところも考えられるようになってきたのだ。その方がお互いに嫌なことを言わなくても済む。
エイコは改めて、毒親や家族関係で苦しむ人の状況や絶縁というものが理解されにくいことと、『絶縁』することの大切さを実感するのであった。

娘から絶縁された母親の能天気さ…親としての務めを考えるエイコ

エイコが出会った、とある娘から絶縁されている女性は、『出産とか一大事になれば仲直りできるから大丈夫』等、能天気であった。色々な人と対話をしたエイコは、こういった母親達は、皆共通して、娘の言動を軽く捉え、娘から殺意を向けられ、告げられたとしても全く恐れていないことに気付く。まるでセクハラ上司と悩むOLの様な関係だと思うエイコ。もはや理解し合うことが難しいのだ。
娘に依存し、娘の人生までしょい込もうとする母親たちの多さに驚くとともに、エイコは、親として頑張るべきことは『子どもを信頼すること』『自分自身が幸せになること』ではないかと改めて考えるのであった。

誤って理解される『毒親』という言葉

そして、世間では『毒親ブーム』が到来し、テレビでも『毒親特集』が組まれるようになった。『母がしんどい』を世に出したエイコの元にも様々な取材やテレビ局の人間がやってくるようになる。
しかし、「田房さんの本を読ませて頂きました」というものの、「母がしんどいとか、毒親の意味がよく分からなかったので説明してください」と言ってくる人も少なくない(普通に読めば理解できる内容だし、面と向かって聞くのは失礼だろう。はっきり言って舐めている)。エイコは2時間程説明するも、テレビ局の人間はピンと来ないようだった。そういった人間がテレビで特集を組むということに危機感を覚えるエイコ。
エイコは、毒親という言葉は当事者が悩み苦しんだ挙句、自身への救済のため口にする言葉であって、親を罵るための蔑称ではないと訴える。 他者が安易に誰かを毒親か否か診断・判断していいものではないのだ。しかしそんな彼女の想いもむなしく、案の定、テレビでは蔑称として、あるいは最早病名であるかのように安易に使われている。
言葉とは難しい上に、定義も徐々に変わってくるものだ。それでもエイコは『毒親という言葉は、子供が自分と親を切り離して考えるための言葉』とういスタンスを守って行こうと決意するのであった。

親との交流を再開するエイコ…しかし

娘が生まれたことを機に、親と再会することにしたエイコ。
娘の百日祝の場で、 なるべく他の親族を呼ぶことで衝撃を減らす等の工夫をする。当日、必死にご機嫌を伺いながら100円ショップで買った様な訳の分からないおもちゃを渡してくる母親。そんな母親の態度を滑稽に感じ、和やかな時間を過ごしたエイコは、改めて母親の精神年齢が小学5年生程であることに気付く。母と自分が上手くやって行けるはずが無かったのだと改めて納得する。

そして、その1年半後に唐突に親に会いたくなったエイコは実家を訪ねる。7年ぶりであった。そこで母親から「子どもが生まれるとお金がかかるから」「困ったらいつでも言って」と封筒を渡される。エイコの両親は裕福であったが、エイコは今まで結婚費用も出産祝いも一切親からもらっていなかった。そして娘もそんな祖父母から何かを買ってもらったことが無かったので、娘に対して申し訳なく思っていたエイコ。「5万円くらい入っているのか」と自宅に帰って封筒を開けてみる。しかし、中に入っていたのは『1万円』。エイコは何故か強烈に悲しみを覚え、それ以来親とは会わなくなるのであった。

父親について考えてみるエイコ

母親の異常性ばかり考えていたが、父親もやはり異常だったと思い返すエイコ。共に暮らしていたにもかかわらず、大人になるまでほとんど直接言葉を交わすことはなく、エイコと母が取っ組み合いの喧嘩をしていても素通りで、自身の部屋に籠っていた。にもかかわらず、エイコが大人になり実家から離れると説教臭い格言めいたメールや手紙を送りつけてくるようになり、急に母親を擁護するようになった。父親が無関心さにどこか救われていたエイコは、そんな父親の変化にショックを受けた。
しかし、エイコは色々な人と出会い、対話する中で、妻のヒステリーや暴力が子どもに移ったことで安心し、そのまま無関心を貫く男が一定数存在することを知る。男性は『仕事して稼いでくればいい』というような社会風潮があるからこそ、家庭が荒れていても知らんぷりが出来るのではないかとエイコは推測するのであった。そして父親もそんな問題のある人物だったと再認識するのであった。

ある時、父親のことを精神科医に相談したエイコ。すると精神科医から、父親は今まで、自分の母親(エイコの祖母)にくっついていたのが、自分の母親が亡くなったため、今度は妻に擦り寄っただけ…要は面倒臭いことに関わりたくない、幼稚なただのマザコン男だと指摘されて衝撃を受ける。
今はエイコが絶縁し、父と母から『ダメな娘・親不孝な娘』として二人の共通の敵となることで、ある意味、父と母の絆を深めているのかもしれない…そう思うのであった。

まとめ~様々な体験談を知ることができる本書

本書は様々な毒親・家族関係に苦しむ女性たちの体験談を読むことが出来る。情報量が多い。また、『母がしんどい』以上に毒親の定義等や社会風潮に大して切り込んでいる。『母がしんどい』のその後を知りたい人にも良いだろう。父親に対してもより踏み込んだことを書いてある。
エイコが親から絶縁するまでの様子をもっと知りたい人は『母がしんどい』の方を読んだ方が良い。

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個人的には色々と納得出来る話が多かったが、親からの一万円で落ち込む下りはやはり、そこまで期待するべきではなかったのではないかと思わなくもない(今までの経緯を考えると気持ちは分からなくもないが…)。親と絶縁しながらも、どこかまだ、親に期待もしてしまう…エイコの心の揺れを感じて少し辛くなった。彼女も生身の人間だから、気持ちも心も変わり続ける。今後どうなるかは分からないが、心の平穏を保ち続けて欲しいなと思うのだ。

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