【漫画】夏目アラタの結婚 16話【感想・ネタバレ・考察】真珠からの”宿題”に悩むアラタを助けた意外な人物とは…一方、真珠はアラタが沙菜に会っている事に気付き激昂し…

夏目アラタの結婚1巻表紙

真珠に対する向き合い方を反省したアラタは『真珠を人間らしくしたい』と思う様になり、真珠に対して素顔で接する様になった。

そんなアラタに真珠は『24時間一緒に居られるとしたら何をするか考えて』という”宿題”を出すのであった…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

真珠に肩入れするようになった桃山に戸惑うアラタ…一方、アラタが吐いた些細な嘘が火種になろうとしていた…

職場でアラタは桃山に、宮前が語った”新証人”の事を愚痴交じりに話していた。『宮前は無罪を取れるとはりきっちゃってる』と呆れた様に言うアラタ。しかし、それを聞いた桃山は『あの娘、無実なんだね』と嬉しそうな顔をする。桃山の意外な反応にアラタは戸惑いながらも『無罪と無実は別、あいつは殺しをしている』と言い切る。だが、そんなアラタに桃山はガッカリした様にこう答える。

「―一方的な先入観で誰かを殺人犯と決めつけるなんて…!!お姉さん…哀しいよ!!」

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 7/27

『真珠ちゃんは本当は傷付きやすいナイーブな娘』『あんたは雑だから彼女の出しているサインを見落としている』…そう真珠を擁護する桃山。桃山はあの面会以降、真珠からの心を尽くした謝罪の手紙を受け取っており、交流を続けていたのだ。そして、すっかり真珠に肩入れする様になっていた。

桃山が真珠と交流を深めている事を知らないアラタはそんな桃山の変化に違和感を持つも、二人が会っているということまで思い至らない。

そんな中、アラタは桃山にあることを謝罪する。それは真珠に差し入れたブラジャーのことであった。

真珠にスポーツブラを差し入れたアラタであったが、昨日面会の終わりに真珠から『あれ、アラタじゃなくて若い女の人が選んだんだよね』という鋭い質問が来たのだ。選んだのが周防沙菜…被害者男性の妹だと言えなかったアラタは咄嗟に『桃ちゃん』と答えてしまったというのだ。それを聞いて固まる桃山。そんな桃山にアラタは勝手に名前を使ってしまったことを謝るのだが、桃山が動揺する理由は別にあった。

実は今朝、通勤前に桃山も真珠にブラジャーを差し入れてしまったのだ。つまり、アラタの吐いた嘘はかなり不自然なものになってしまったのだ。しかし、桃山は真珠から交流している事を口止めされているためその事をアラタに指摘できない。

…アラタをウソつきにしちゃったけど――
ちっちゃなウソくらい、――いいよね?

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 10-11/27

桃山の不安は的中し、拘置所にいる真珠はアラタから差し入れられたスポーツブラと桃山が朝に差し入れたノンワイヤーのブラジャー…趣味が全く異なるその二つを並べ、思案顔をしているのであった…。

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『24時間あったらどんなデートをするか』…真珠から出された”宿題”に悩んだアラタは周防沙菜に相談するが思いつかない

その晩、アラタは沙菜を焼き肉店に連れて行った。それは沙菜にある事を相談するためであった。

それは以前に真珠に出された『24時間でどんなデートが出来るか考えろ』という”宿題”についてであった。

既に桃山や所長、友人や果ては元カノにまでアドバイスを求めたアラタ。しかし、何故か最近ポエマーの様になってしまった桃山は自作のショートショートがどうやらという理解の出来ない話をするばかり。所長は『元カレとデートした場所を回り自分色に塗り替えマーキングする』と言うが、それをしてしまうと殺人現場巡りになってしまいそうで出来ない。友達は『閉園する前のとしまえん』を提案するが普通過ぎてピンと来ない。『家でずっとダラダラするのがオススメ』と答えた元カノはそのせいなのか既に子沢山だ。

「いいアイデアは、ないかねえ……」

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 14/27

アラタは悩むのであった。

隣の卓にいた女性に振られた男性…彼の正体はいつもアラタと真珠の面会に立ち会っていた井手刑務官であった

アラタと沙菜がそんな話をしていた頃、アラタの背後の卓ではあるハンチング帽を被った男性が女性にフラれていた。

「それ、ひょっとして壁ドンのつもりですか…?いきなり「俺と結婚しようぜ」って…」
「絶対にないですから井手刑務官!!」

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 15/27

そう言って女性は自分の食べた分だけ精算して立ち去ってしまった。残された男性はなんと、いつもアラタと真珠の面会に立ち会っている刑務官の井手であった。井手はあろうことか、真珠に突然プロポーズした時のアラタを真似て女性を口説いたものの見事にドン引きされて逃げられてしまったのだ。

しょんぼりと項垂れる井手。すると椅子の後ろから『相手は”品川ピエロ”だから難しい』という会話が聞こえてきてビックリして覗き込む。そこで初めてアラタが背後にいたことに気付いた井手は慌てて帽子で顔を隠しながらその会話を盗み聞くのであった。

隣で井手が聞いているとは知らないアラタは沙菜に『真珠は楽しい行事を体験したことが無いだろうから、一気に正月やハロウィンやクリスマスのパーティーといったイベントをするのはどうだろうか』と提案してみる。だが、沙菜は『パッとしない』『だったら結婚式でいいのでは』と感想を述べる。

どうも”子作り”に興味がある様な言動を取っている真珠。対してアラタは子供が欲しくないこともあって”初夜”に持っていく流れにはしたくない。

そんなアラタに今度は沙菜が『子供を借りてきて若夫婦ごっこするのは?それなら夜も『子供が起きるから』といって誤魔化すことが出来る』と提案するがアラタは『よその子供を死刑囚に付き合わせるわけにはいかない』と却下するのであった。

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井手刑務官は通りすがりのフリをしてアラタに『互いの絵を描くこと』を勧める

いい案が浮かばなくて困り切ってしまったアラタ。その時であった。

「2人で絵を描くってのはどうです?」

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 18/27

突然そう言ったのはアラタの背後でずっと会話を聞いていた井手だった。背を向けたまま急に会話に入って来た男性の正体がいつも面会の時にいる刑務官だと知るよしもないアラタは驚きながらも、『自分は絵心がないから…』と難色を示したが、井手は『気持ちが入っていればいい』と言って、こう続けた。

「生まれたままの姿を、描くんです。」
「目に焼きつけて、どんなに離れても忘れないように―」

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 19-20/27

井手のその言葉にアラタだけでなく沙菜も心を奪われて目を見開く。絵を描くのが趣味だという井手。唇、指、耳…相手の姿を必死に捉えようとすれば、いやらしい気持ちは無くなっていく。そして、何度も描いているうちにあっという間に24時間なんて過ぎてしまう…そう語るのであった。

そして、井手はハンチング帽で顔を隠して逃げるように立ち去る。井手がいつもの刑務官であることに気付かなかったアラタは『そんな発想はなかなか出来るものじゃない』とただただ感心するのであった。

「いるんだなァ…恋の達人って……」

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 22/27

しかし、真珠は沙菜の存在に気付き、激昂…なんと宮前を使って手紙を渡す

しかし、その頃…拘置所で就寝時間を迎えていた真珠はやはりアラタが差し入れしてきたスポーツブラを選んだのが桃山ではないということを確信していた。

「……アラタを…手助けしそうな、若い女…。」

夏目アラタの結婚16 乃木坂太郎 23/27

険しい表情でそう呟いた真珠。そして、次の瞬間横になったまま、足元にあったものを苛立たしげに蹴り倒すのであった…。

それから数日後のある朝。家を出た沙菜は突然、見知らぬ男から『周防沙菜さんですね?』と声を掛けられる。

それは宮前であった。宮前は戸惑う沙菜に『品川真珠さんから手紙を預かってきました』と笑顔で告げるのであった…。

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以外、感想と考察

“恋の達人”と勘違いされてしまった井手刑務官…井手刑務官のアドバイスは吉と出るか凶と出るか…

やっと面会に立ち会っている刑務官の名前が分かった!いつも無言だけど表情で語るこの中年の刑務官が気になって仕方がなかったのだ。

しかし、突然女性にフラれるシーンで登場とは…突然壁ドンして『俺と結婚しようぜ』…ってアラタの真似やん!!そして、“壁ドン”的なオラオラ系の行動は現実では真似してはいけない。ダメ、ゼッタイ…。

しかし、そんな井手刑務官であったが、“宿題”に悩むアラタになかなかロマンチックな提案をする。普通にいいよね、絵。そんな助言をして風のように立ち去った井手刑務官はフラれた直後にも関わらず、皮肉にもアラタからは“恋の達人”と勘違いされてしまうのであった…。

沙菜の存在を悟らせ真珠を怒らせてしまったアラタ…果たして沙菜の運命は

しかし、この素敵な“スケッチデート”を真珠は受け入れてくれるのだろうか。何故なら今、真珠はアラタが自分への差し入れを沙菜と選んでいたことを黙っていた&桃山と選んだと嘘を吐いたことに激怒しているのだから。

…でも、これって殺人鬼じゃなくてもちょっと揉めやすい案件だよね。彼氏が自分のために心を込めて選んでくれたプレゼントが、他の女チョイスだった…これ、嫌がる人が一定数いるよね。まあ、その事自体真珠は怒っていないようだけど、その相手が誰かというところを嘘つかれたことが問題なのだ。…真珠、前の15話でスポーツブラをめっちゃ喜んでた分、怒りの反動がヤバい。

そして、実際に沙菜はアラタに好意を抱いている感じだからな…。複雑である。

突然真珠から手紙を送りつけられた沙菜の運命は?真珠は桃山にしたように面会に呼び出すつもりなのか?…でも、それは流石に被害者の妹である沙菜にはできないよな。だとしたら、手紙で何かしらの攻撃をするつもりだろうか?アラタから離すために…。何にせよ恐ろしい…。

それにしても桃ちゃん、あっさり真珠に肩入れしちゃったな。まあ、あんな手紙を受け取り続けていたらそうなっちゃうか。

そして、ラストの宮前の表情がなんかおかしい。被害者の妹に近づく加害者の弁護士の態度にしては不自然…。真珠に洗脳されておかしくなっちゃった??

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