【漫画】モンキーピーク1巻【感想・ネタバレ・考察】怒涛の展開!会社のレクリエーション登山が一転…サバイバルホラーの惨劇へ!!

モンキーピーク1巻表紙

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昨今盛んなジャンルとして挙げられるのが「パニックホラー」「そこからのサバイバル」といったもの。ごく普通の生活を送っていた主人公たちが突然謎の存在に襲われ、その存在から逃げたり、団結して立ち向かったり、その最中裏切り等の人間ドラマも生まれたりして…。…数えきれないほどある、そんな作品。
衝撃的唐突な話の展開をしやすく、意外なキャラの死亡等でとりあえず読者の関心を引き付け易いのが大きいのかな…などと個人的には分析している。
しかし、一方でどうしても設定に無理があったり、リアリティや登場人物の行動等への説得力に欠けてしまっている作品も少なくなく…。特にRenta!あたりで見ていると、序盤こそ盛り上がったものの、尻すぼみでよく分からないまま終わってしまう作品も散見する。

そんな中、「サバイバルホラー」として話の構成、展開、登場人物等の設定がかなりしっかりしていて、お勧めできるのが、この『モンキーピーク』である。

 モンキーピーク1巻の表紙
モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏

登場人物紹介はこちら
→モンキーピーク、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

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【漫画】モンキーピーク12巻・最新刊・最終巻【感想・ネタバレ・考察】岩砕山山頂…ラスト生き残るのは?そして結末は…真のヒロインは佐藤さん

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Contents

あらすじ・ネタバレ

レクリエーション登山をする製薬会社の社員達

しらび山…よく晴れた午後、藤谷製薬会社の40人もの社員がその山の頂上を目指していた。
彼らは会社のレクリエーションとして一泊二日の登山にやってきたのだ。
複数の班に別れて頂上を目指す社員達。

主人公早乙女は4班の中にいた。4班のメンバーは

主人公早乙女(営業 23歳 黒髪ツンツン頭)の他は
班長である佐藤(経理 31歳 黒髪ロングヘアの女性。整っているがキツイ顔立ち)
長谷川人事部長(50歳 貫禄のあるおじさん)
南(開発室B 32歳 色黒の男性)
遠野(開発室A 28歳 眼鏡をした小柄で華奢な男性)
岡島(開発室B 27歳 チビデブ不細工の三拍子がそろった男性)

4班は体力が無く臆病な岡島がいることもあり、最も遅れていた。班長の佐藤はそんな岡島に苛立っていた。
早乙女は岡島の荷物を持ってやる。同じ班の南に揶揄される様に、笑顔が苦手で営業成績が悪いものの、体力には自信があった。

その後登山を軽く見るような言動を取る南に、長谷川人事部長は『山をなめてはいけない』と厳しく忠告する。なんと、このしらび山の先にある『岩砕山』は世界で2番目に死者を出している山だという。別称『鬼猿岳』。
長谷川部長の話にたじろぐ南だが、今回のルートは手前のしらび山までしか行かないことを聞き、一安心する。

その後、梯子で運動神経の悪い岡島な落下しかける等のトラブルに見舞われるも、2班で早乙女とは友人でもある宮田(営業23歳 茶髪のイケメン男性)が助ける。
宮田は上司である氷室(営業部長43歳 テンパのおっさん)に騙され、スーツに革靴で来てしまい、そのため動きにくく、2班のメンバーに置いていかれたという。
宮田とともに、最下位で頂上についた4班のメンバー。

全員脱落せずに到着した事を、社長の富久(54歳)は喜ぶ。
今回の登山企画は『薬害疑惑が出て苦しい状態にある社の団結力を高めるため』社長が結構したのだ。

「今日が新生藤谷製薬の第一日目だ!!明日からも一致団結してがんばろう!!」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 32/225

陰ではこの登山企画に文句を言う社員もいるのだが、社長は明るくそう、皆に告げるのっあった。

夜、謎の大猿が社員を襲う~死者4名、レクリエーションが一転し恐怖の夜に

夜、岡島と同じテントで横になっていた早乙女。岡島のイビキのせいで眠れなかった。すると、外から猿の鳴き声が聞こえたかと思うと、突然悲鳴が聞こえる。
テントの布越しに大きな獣の様な影を見た早乙女。外に出てみると、
そこには大きな眼、巨大な牙、黒い体毛を持った大猿が、簑をまといナタを片手に立っていた。

早乙女は目の前の存在を理解できず立ち尽くす。大猿は静かに去っていった。
すると、遠くのテントからざわめき、悲鳴が聞こえてくる。慌てて駆け寄る早乙女。

そこには鈴村達4名の無惨な遺体が転がっていた。血塗れで切りつけられた様な跡が無数にある遺体達。
熊の仕業か…という社長に、早乙女は先程見たナタを持った大猿のことを報告する。最初は皆に信じてもらえないものの林(庶務21歳 茶髪ボブヘアのかわいらしい女性)も見たと証言する。
社長はとにかく警察に連絡するよう指示するが、携帯電話は殺された鈴村が一括管理していた。そして、携帯を入れた袋は見当たらない。パニックになる社員達。
社長はそんな社員達に落ち着いて、一ヶ所に集まるよう指示する。夜が明けるまで取り敢えず待つことにするのだ。
不安感を持ちながらひとかたまりになる社員達。友人でもある宮田(営業23歳)から尋ねられ、先程見た猿の様子を説明する早乙女。そんな早乙女の話を聞いた長谷川部長は、この先に繋がる岩砕山は猿投山と呼ばれており、魔猿が現れるという伝説があると語る。
長谷川部長の話に怯えつつも、社員達は励まし合いながら夜を明かすのであった。

下山する社員達。しかし、看板を偽装されて誤ったルートを進んでしまう

無事に夜を明かし、下山し始める社員達。社長の指示の元、班毎に行動し1班から順番に進むこととなった。
再び4班で行動する中、遠野(開発室A 28歳)がスマホを取り出す。カメラとして利用するために用意したため、SIMカードは入っておらず電話としては使えない。しかし、しらび山の地図画像を入れて持ってきたのだ。ルートを確認する遠野。
目的地である、しらび山出口の一つ『前原温泉口』に行くためには途中で右折する必要がある。
比較的穏やかな道を進む早乙女達4班。すると早乙女は右折する道を見つける。この道は?と皆に尋ねる早乙女。しかし、班長の佐藤は看板を指差し直進で合っていると言う。確かに看板は直進方向を差していた。そのまま直進する社員達。

しかし、それからしばらく経ってから地図を見ていた遠野が『おかしい』と言い始める。地図のタイムと誤差がある上、まだ下るはずではないのに道が下り坂になっていると言うのだ。標識は直進方向を向いていたし、他の班も直進している。 ハッとする早乙女。

罠だ!!

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 58/225

先程の看板が不自然に新しかったことに気付いたのだ。

『矢ノ口落とし』の悲劇~猿の襲撃と集団滑落

標識はやはり罠であったのだ。先頭に行って皆に知らせないといけない…そう考えた早乙女は走って先へ急ぐ。
先に進んだ早乙女の目の前には本来なら進むはずではなかったルート『矢ノ口落とし』が広がる。階段の体こそしているものの、非常に狭く急なそれは、ほぼ崖に等しい。しかし、先に進んでいる社員達は『矢ノ口落とし』に難儀しつつも、疑問を持たずにどんどん進んでいってしまう。
皆を追い越しながら、『この道は誤っている』『罠だ』『引き返せ』と叫び続ける早乙女。しかし、唐突な早乙女の主張に皆は困惑するばかりで、足を止めることは無かった。必死の形相の早乙女をなだめたのは友人でもある宮田(営業23歳)だった。早乙女は宮田とその場にいた庶務の林(21歳)に事情を伝えようとするが、上手く説明できない。

後方からその様子を眺めていた佐藤は『なんであんな問題児を採用したのか』と思わず呟いた。それを聞き逃さない南。佐藤に問いただす。佐藤は早乙女の人事ファイルを見たことがあること、そこに『高校の時一人殺している』と書いてあったことを告げる。驚く南。そうこうしているうちに、4班も『矢ノ口落とし』の階段に差し掛かる。
しかし、案の定、臆病な岡島は急すぎる階段で足がすくんでしまい、中々進まない。佐藤が急かすがどうにもならず、他の班の者達も次々にやってきて後がつかえてしまう。先程の話を詳しく聞こうと佐藤に声を掛ける南。

しかし、振り返った佐藤の目に飛び込んできたのは、後方に並んだ社員にナタを振り下ろす大猿の姿。『矢ノ口落とし』の入口で、社員達は猿に襲われるのであった。

「走って…走ってー!!」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 76/225

前に向かって叫ぶ佐藤。逃げようとした社員達が狭く急な階段に雪崩れ込んでくる。しかし、前で渋滞の原因を作っていた岡島はすぐに反応出来なかった。逃げようとした社員達が岡島にぶつかり、次々と転倒していく。

既に下の方にいた、早乙女、宮田、林が騒動に気付き振り返ると、無数の社員達が『矢ノ口落とし』から転落する光景が広がっていた。岩場に重なるように落ちていく社員達。血溜まりが生まれ呻き声と悲鳴が辺りに響く。上を見る早乙女。そこにはナタを持った猿の姿があった。しかし、猿はそのまま降りてくることはなく、姿を消した。

死者が14名に~山小屋を目指す組と待機組に別れて行動することに

転落者を救いだす社員達。右腕を骨折した南を初め、負傷者が多数。意識不明の状態の者もいる。怪我人を寝かせ終え、社長は早乙女に事情を説明するように促す。早乙女は、標識が偽物で別ルートに誘われてしまったことを皆に説明する。そして、法務の安斎(34歳 非常に体格のいい男性)が矢ノ口落としの上で猿に10名殺害されたことを告げる。昨晩と合わせると既に14名も殺されたのだ。

このまま先に進んでしまうと、世界で2番目に死者を出している『岩砕山』に入ってしまう。父を岩砕山で亡くした早乙女は引き返すべきだと主張する。しかし、その主張に皆は反発する。上にまだ猿がいるかもしれないからだ。
『猿は計画的に社員を殺しにかかっている、このままじゃ猿の思うつぼだ』となおも引き返すことを主張する早乙女に、南が言い返す。
『さっきから引き返せと主張していたが、引き返していたら、一本道のガケの上で皆で襲われもっと大事になっていただろう』と。
そして、

「お前の言う事なんか信用できるか…っ」

「知ってんだぞお前ー高校ん時一人殺してるって話じゃねえか」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 97-98/225

南の言葉に静まり帰る一同。その空気を遮るように長谷川部長が発言した。
目の前の山、『前岳』さえ越えれば、大きな山小屋『中岳小屋』があるという。そこならば、電話があって助けを呼べるはずだと。

長谷川の案で、動ける者は中岳小屋を目指し、負傷者や岡島等体力の無い者はこの場で待機することとなった。待機組の責任者は田中(開発室Aチームリーダー48歳 眼鏡の頼りなさそうな男性)となった。
出発の準備をする中岳小屋組。その最中、長谷川部長は早乙女に『さっきのことは気にするな』とフォローする。黙る早乙女。そんな早乙女に岡島が助けを呼ぶついでに何か食べ物を見つけたら持ってきてくれと懇願する。下手くそな笑いを浮かべて答える早乙女。しかし、中岳小屋組の目の前には『体力に自信のない方は引き返して下さい』という看板が立ち塞がる。

今まではハイキングで、ここからが登山だと言う長谷川部長。前岳は四つん這いの姿勢で岩を登っていく状態が続き、社員達は疲弊していく。この道があと最低でも4時間は続くのだ。登りながら開発室Aの飯塚(26歳 茶髪でやや軽薄な印象の男性)はそもそもの登山企画に文句を言い始める。開発室Bのリーダー黒木(45歳 ひょろい眼鏡のおじさん)も便乗して文句を言うが、飯塚から『開発室Bが3年前に薬害疑惑を起こし、そのせいで前社長が退任してしまったため、こうなった』と責められ口論になってしまう。そんな争いを横目に早乙女は、去年入社のため、薬害騒動と関わりが無かったにも関わらず、この様な騒動に巻き込まれ、結果父親を亡くした岩砕山に近付きつつあることに運命の様なものを感じる。亡き父を思い浮かべ物思いにふける早乙女。しかし、目の前を歩いていた宮田達が後ろを見て固まっていることに気付き我に帰るのであった。

猿に襲われ虐殺される待機組達~戦う早乙女&安斎、驚異的な猿の身体能力におののく

宮田達が指差す方向を振り返る早乙女。その先には、待機組達が猿に襲われナタで切りつけられていく光景が広がっていた。先程まで呑気に『食べ物持ってきて』と言っていた岡島達がそこにはいる。
考えるより先に猿のいる方向へ走り降りて行く早乙女。法務の安斎(34歳)もまた、待機組の元へ駆け降りて行く。

「やめろっ…やめろー!!」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 125/225

叫びながら走る早乙女。しかし、待機組の所へ到着した時、そこに猿の姿はなく、変わりに無惨に殺された社員達の遺体が転がっていた。怒りで一杯になりながらも、早乙女は安斎とともに状況を分析する。社員達は逃げるなか襲われたため、皆、背中を切りつけられている。怪我をして動けなかった者、意識を失って動けなかった者達も全員、容赦なく殺されている。
安斎は冷静に周囲を見渡す。疑問が2つあった。『この場所からは矢ノ口落としは丸見えなので、猿が来るのは事前に見えたはず。何故皆は逃げなかったのか』そして、

「猿はどこからどこへ消えた?」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 131/225

安斎がそう言った瞬間、岩陰から猿が飛び出し、早乙女の背中をナタで切りつけた!
幸いナタはナップザックにあたり、早乙女は無傷。至近距離で猿と対峙した早乙女。猿に殴りかかり、

「来いよ…上等だコラ…っ」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 135/225

と叫んだ。一方、安斎は大きな岩を猿に投げ続ける。元アメフト選手だった安斎は体格、運動神経共に非常に優れているのだ。二人を前にした猿は踵を返して逃走。早乙女が追いかけるも、言葉通り断崖絶壁の崖を下って消えてしまう。

「し…信じらんねぇ…っ、このガケを下った…っ!!」
「猿は“矢ノ口落とし”の階段を降りてきたんじゃない…崖側から襲ったんだ…っ」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 141-142/225

早乙女と安斎は猿の驚異的な身体能力に愕然とするのであった。まさに、“怪物”である猿の存在に。

早乙女は過去に二人を殺した!?早乙女と安斎の間に芽生える対立の兆し

猿が消えた後、死者を確認する早乙女と安斎。岡島と南、そして待機組の責任者であった田中の3人の姿が見えないことに気づく。3人の名を呼びながら探す早乙女と安斎。すると、岡島と南が草陰から出てきた。二人は猿が襲ってきた際に咄嗟に隠れたために難を逃れたのだ。しかし、田中の姿が見当たらない。早乙女は探そうとするが、安斎は合流するなら急いだ方が良いと言い、山小屋組からも呼ばれていることから、とりあえず4人で前岳を登っていくことにした。

一体あの猿はなんなのか。本当に猿なのかも分からないが、山のスペシャリストであることに間違いはないと考える早乙女。安斎はこの異常事態を2011年、ノルウェーのウトヤ島で起きた虐殺事件になぞらえる。夏合宿に来た10代の若者達69人が孤立した島の中でたった一人のテロリストに殺されたと言う。

「この山は完全な陸の孤島。我々は周到に準備された殺人計画の中にいるのかもしれん…」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 152/225

安斎の言葉に戦慄する岡島と南。一方で早乙女は強気な態度を崩さない。そんな早乙女の強気な態度の理由を尋ねる安斎。すると、早乙女は『昔ちょっとヤンチャをしていた』と答える。しかし、安斎は早乙女のその返答に不快感を示す。『暴力、犯罪、迷惑行為をそんな言葉ですり替えるものではない』とただす。それに何も言えなくなる早乙女。
すると、安斎の言葉に乗じて、南が『早乙女が過去に人を一人殺した』という噂の真偽を尋ねた。それに早乙女はこう答えた。

「…それは違う」「俺が殺したのは二人だ」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 155-156/225

早乙女の返答に唖然とする岡島と南。特に南は早乙女に不安感を持ったようで安斎にすがる。そんな南に対し、自分の方が強いと岩を砕きながら答える。早乙女と安斎…二人の間には既に対立の兆しがあった。

一括管理される飲料~社員達は中岳小屋を目指すが辿り着けず、野営することに

南、岡島を連れて中岳小屋へ歩いてた社員達に合流した早乙女と安斎。待機組8名が無惨に殺され、田中が行方不明であることを皆に報告する。
恐怖におののく社員達に、社長は『中岳小屋を目指すしかない』と告げる。不満の声が次々に上がるが立ち止まるわけにも行かないのだ。
仕方なく山を登っていく社員達。しかし、徐々に水が無くなっていく。本来なら一泊二日だったはずの行程。社員達は一人2Lの飲料水を用意するよう指示されていた。元々ギリギリの量しか持ってきていないのだ。

水が無くなる者、我慢して水を残す者、他者にねだる者、分け与える者、断る者…急な坂に日差し、ストレスと恐怖から渇きは加速し、社員達の雰囲気は悪くなるばかり。休憩を取った際、社長は安斎と相談して、あることを決める。
まず、『皆の飲み物を1つにまとめて、休憩時に平等に分配すること』これには我慢して水を残していた藤芝(庶務24歳 お団子頭の愛嬌のある女性)が不満の声を上げた。水もスポーツドリンクもコーラも全てひとまとめにした飲料水は1.7L。18人分にしては心許ない量である。そして、社長は生き残った社員で班を再編成する。4班の編成は変わらず、再び早乙女と同じ班になった南は不満を漏らす。

そして再び出発する一同。しかし、山登り初心者の集団である。ペースが地図上のものの倍掛かっており、中々頂上に近付かない。二日目だけで既に9時間は歩いていた。疲労から苛立ちを不満や弱音を隠さなくなっていた。そして時刻は午後5時を過ぎていた。
『暗くなる中岩場を歩くより野営した方がいい』そう主張をするのは登山経験豊富な長谷川人事部長(50歳)であった。長谷川の主張に社長を始め、皆が反発する。しかし、このままのペースでは頂上まであと4時間は掛かると長谷川は言う。社長は悩みながらも長谷川の意見に従うことにし、野営を決意。仮眠を取りつつ2時間毎に交代で見張りに立つこととなった。

同盟を組むこととなった飯塚(開発室A 26歳)と藤芝(庶務 24歳 ) 

水が配給されるも、口を湿らせることが出来る程度と量で、がっかりする社員達。

一方で、水を一括管理することになった後も、飯塚(開発室A 26歳 茶髪の軽薄な雰囲気の男性)は密かにゼリー飲料を隠し持っており、こっそり摂取していた。それを見掛けた藤芝(庶務 24歳 お団子頭の女性)。渇きに耐えかねた藤芝は『自分にも分けてほしい、さもなくば皆にばらす』と飯塚を脅す。
すると、逆に飯塚から

「条件がある」
「俺と“同盟”を結ぼう」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 191-192/225

そう提案される藤芝。自信たっぷりに堂々と言われた藤芝は、飯塚のペースに飲まれてしまうのであった。

野営していた社員達を弓矢を持った猿が襲う~また1名命を落とすが…

交代で見張りに立つ社員達。見張りの順番が来た早乙女は遠くに見えるところへ街の灯を見て、亡き父を想った。
その時、林の悲鳴が響き渡る。駆け付けた社員達が見たのは頭から血を流し絶命した辻(経理53歳 柴田理恵似の女性)であった。すると、続いて岡島が叫び声を上げる。少し離れた所に猿が潜んでいたのだ。

「石を持て、戦うぞ」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 205225

社長の号令で、足元の石を拾い上げる男性社員達。
猿を引き付け近付くのを待って、皆で一斉に石を投げるように言う、安斎。しかし、臆病な岡島が恐怖心から投石を始めてしまったことから統制が取れなくなってしまう。当然、距離があるため当たらない。
すると、猿はなんと弓矢を構え、一同に打ち放って来た。パニックになって逃げ出す社員達。危険だから動き回るなと皆に指示する長谷川部長。しかし、皆のパニックは収まらず、夜で足元が見えない中、岩場を無闇に走り回ったせいで、次々に転倒し落石を引き起こしていく。
皆が逃げるなか、果敢に投石を続け戦う安斎。早乙女もまた、宮田に助力を求め、巨大な岩を猿に向かって落とす。早乙女と宮田が落とした岩は見事猿に命中。猿の姿は見えなくなる。

社員達を集め安否を確認する社長。このパニックで転倒、滑落した結果、営業部長の氷室が頭部を負傷、開発室Bのリーダー黒木が右足を骨折してしまっていた。その後も猿に警戒し続ける一同だったが、猿は姿を現すことはなく、夜が明ける。

そして明るくなった岩場で辻の遺体を見ながら宮田が早乙女に言うのであった。

「…サッチー、…これ…本当に猿がやったのかな…」

モンキーピーク1巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 224/225

宮田の言葉に早乙女は絶句するのであった。

以下、感想と考察

序盤から容赦ない大量虐殺

1巻なので、最初は様子見、不穏な雰囲気で終始するかと思いきや、いきなりアクセル全開で大量虐殺が始まる。既に社員は半分以上殺されてしまうという、衝撃展開!しかし、投げやりヤケクソな訳ではなく、話はよく練られている。テンポが良いのだ。

リアルに描かれる壮大な自然

惨劇とは裏腹に美しく壮大に描かれる山の風景岩肌のゴツゴツした感じはリアルで、転倒、滑落する描写は冗談抜きで痛そうである。

キャラクターは多いが、分かりやすい

描き分けが出来ているのもあって、各キャラクターの人間性や人間関係が理解しやすい。そして各キャラクターの設定がリアル。リアルにいそうな嫌味さ、汚さがある…。

果たして猿の正体は?

異形で人間離れした動きで社員達を襲撃する猿。一方で弓矢を使いこなし、山道の看板を偽装する器用さも見せる。
そして何か怪しい辻の遺体。ラストで宮田も『本当に猿がやっているのか』と疑問を呈する。
始まりの1巻から全速力で話が進む、『モンキーピーク』。次巻も更なる絶望が社員達を襲う…。

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